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書評『かがみの孤城』作:辻村深月

辻村深月ワールドの作品
2018年本屋さん大賞受賞作品

辻村深月さんは私の好きな作家さんの一人でずっと読みたかった。
ちょうど2018年は色々と忙しくて読めなくて、今まで読まずに引っ張ってしまった。文庫になったことをきっかけに、読むことができました。

あらすじは、ポプラ社のHPを閲覧して欲しい。https://www.poplar.co.jp/pr/kagami/

この作品は、初期の作品に近かった。
3年間読まなかったのが、すっごくもったいなかったな。
ぜひ10代に読んで欲しい。
まだ学生に読んで欲しい。
読書感想文に読んで欲しい。
このコロナ化の世の中だからこそ、読んで欲しい。
もちろん大人になってからでもいいんだけれども…
刺さる人は、山ほどいると思う。

私にはモロに刺さった。
なぜなら、主人公と同じような体験をしたからだ。

学校に行きたくなかった。
行く途中で体調が悪くなったことがいっぱいある。
保健室登校もしたこともある。
それでも、私は主人公と違うことは学校に行っていた。
なぜなら私の家庭はその頃シングルマザーで、母は離婚したからって普通の子と違うことはしたくないと頑張って働いていたからだ。
行きたくないなんて言えなかった。

その時の私の逃げ場は、読書や習い事をしていたことだった。
なかったらと思うと、怖い。
他の生活が欲しかった。
毎日顔を合わすクラスメイトがとても嫌いだったから、学校だけが世界だと思っていたら多分心が壊れていたと思う。

このお話が、もしわたしの学生時代にあったとすれば何回か読み返していたと思う。
学校生活が辛い時に。

今は大人になったから、学生時代のことを思いだしながら読めた。
考察できるぐらい勘がよくなってしまったけれども、やっぱり結末は涙腺が決壊した。

夏の読書感想文に読んで欲しい。
キラキラした青春時代じゃなくてもいいんだって思える。
読めて幸せでした。


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