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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extra」No.10


前回のお話 ↓


俺はこの日まで服と髪型だけ変えたわけじゃない。

ちゃんとデートスポットも調べてあるのだ。ぬかりはない...はず。

そして、あとでちゃんと全部本当の事を話すんだ。

俺はニートで君が思うような人じゃないって。

「と、とりあえず、まずはお茶でもしない?」

「行きつけのカフェが近くにあるんだ」

俺はネットで調べた情報を元に、口から出まかせを言う。

「カフェ?うん、ゆっくりお話しもしたいし。いいね」

こうして俺たちはカフェへと向かう。

その途中、何を話していいのか分からず、俺は沈黙したままだった。

するとアヤが話しかけてきた。

「ねぇリン、あなたの会社ってどんなところなの?」

アヤが興味深そうに訊いてきた。

いや、普通のIT企業だよ。と答えるべきだが

「うーん、そうだな。ある程度大きい会社で、情シスの開発をしているんだ」

「俺はそこでSEとして、新しいシステムの設計を担当しているよ」

頭の中で設定を膨らませながら、なるべく詳しく答える。

「へぇ、すごい仕事ね。会社の人たちとも仲良さそう」

「そうだね。同期が何人かいるから、よく一緒にランチを食べに行ったりするよ」

アヤが嬉しそうに話を聞いてくれる。

いい気分だ。

「私も就活頑張らないとね。リンの会社に就職できたらいいのに」

冗談交じりに言うアヤ。

でも本当に一緒に働けたら楽しいだろうな。

そう思わずにはいられなかった。

「そうだね。アヤにもうちの会社会ってるかもね」

「ありがとう」

アヤが照れくさそうに頬を赤らめる。

かわいい。

「今から行くカフェって、リンの行きつけのカフェなんだよね。楽しみ!」

アヤは笑顔で期待を隠せない様子だ。

ちょっと照れくさいけど、嬉しい。

が、しかし、罪悪感に押しつぶさそうだ。

「うん、そこのチーズケーキは名物なんだ。アヤにもぜひ食べてほしいな」

ネットで調べたら、人気ナンバーワンメニューと書いてあったから間違いない。

「わあ、それほどなら絶対に頼む!」

アヤの明るい性格に、つられて笑顔になる。



店の前に着いた時、アヤが思わず歓声を上げた。

「わぁ、かわいい!ここなんだね」

俺も納得の表情で頷く。

「うん、外観からして可愛らしいカフェだよね。中もそんな雰囲気なんだ」

「いいなぁ、楽しみ!早く入りたい」

ドアを開けると、温かな空気とコーヒーの良い香りが鼻をくすぐる。

「いらっしゃいませ」

店員の明るい声が響く。

アヤは周囲を見回しながら

「すごくいい雰囲気!」

と感心している。

俺はその言葉に答えて

「そうだね。ここのチーズケーキがおすすめなんだ」

「うんうん、さっき話してくれたやつね?」

「そうそう」

アヤは嬉しそうに頷く。



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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extara」No.11 へ続く…

続きは ↓


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