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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extra」No.13


前回のお話 ↓


俺はいつものように正午過ぎに起き出した。

ベッドの中でスマホをいじっている内に次第に眠気が覚めてきたが、起き上がる気力が出ない。

SNSのタイムラインをチェックし、適当に言葉を返す。

しばらくそうして時間を過ごした。

しかし、空腹感に耐えかねてやっとベッドから身体を起こす。

冷蔵庫を覗いてみるが、すぐに食べられそうなものがない。

仕方なくデリバリーのアプリを立ち上げて、いつもの牛丼を注文する。

待ち時間には動画で配信を見ながら時間をつぶす。

飯が到着するころには動画に夢中で、いきなりのインターホンにびっくりする。

玄関で配達員から牛丼を受け取り、そのまま部屋でゴロゴロしながら食べ始める。

両親は仕事に行ってるから昼間は居ない。

居たら早く就職しろとガミガミ言われるだろう。耐え難い。

夕方になって、久しぶりに高校時代の友人からLINEが入ってくる。

飲み会の誘いだ。しかし、ニートの俺が行けるはずもない。

仕事が忙しいと嘘をついて断る。

その後、冷蔵庫にあったビールを片手に、適当な菓子を持って部屋に戻る。

最新の海外ドラマを流しながら、数本のビールを飲み干す。

酔いが回ってきた頃、意識が遠のきはじめる。

この生活こそが天国だと思えた。






しかし、アヤに会ってからその生活が一変した。

正確にはアヤとネット上で付き合うようになってからだ。

彼女の明るさが、少しだけ俺を勇気づけてくれるようだった。

会話をしていると胸が高鳴るのも感じた。初めての経験だった。

俺はこの年まで恋愛というものに興味がなかった。

別に女に興味がなかったわけじゃないが、自分なんかと付き合ってくれる人が居るなんて思わなかったからだ。

アヤと初めてリアルで会う時、服を買い、髪型もすっきりさせた。

その時俺は、変われるかもしれないと思った。

今の自分なら、この先も頑張れるんじゃないだろうかと...。

結局は嘘ばかりが口から出てきて、自分を奈落の底へとおとしめたのが現実。

そういえば、俺とアヤはどうやって付き合うことになったのだろう。

ふとそんなことが頭をよぎった。

そうだ。ESD内のアイテム『真実のハート』だ。

なぜかあれをゲーム内で装備したら、アヤの質問に本音が出てしまったのだ。

あれはいったいなんなのだろう。

ゲーム内のアイテムがリアルに干渉なんてするはずがないのに。

しかし、俺はそこであることを思いつく。

その夜、ESDにログインしてアヤを待っていた。


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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extara」No.14 へ続く…

続きは ↓


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