【読書感想】心をバグらせる現代病「加速思考」症候群 / アウグスト・クリ
題名:心をバグらせる現代病 「加速思考」症候群
作者:アウグスト・クリ
■気力の変化※読み終えて気分がどのくらい高揚したかの個人的指標(1~100)
読前気力「50」
読後気力「50」
■読後の一言
聞いたことのない症候群の名前でしたが、図書館の「精神系」の棚に置いてあったので手に取ってみた。
加速思考とあるように、どんどん考えて不安に陥ってしまう、こういう症状のことを指す。
ただ、本を読んでも加速思考症候群の説明がなかなか見つからない。
それどころか、次々に太字でなじみのない言葉が出てくる。
まるで「質問してもこちらの欲しい回答ではなく、つかみどころのない返事をする政治家」のようだった。
みたいな、比喩を使った説明等が多すぎて、読むと疲れてしまう。
もし、この本を読む人は、絶対に117ページから読むことをお勧めします。
■誰かに勧めるなら
・考えすぎて疲れている人
・YouTubeで観たい動画を探すけどなかなか決められない人
・色々考えた結果、何もできなくなっちゃう人
■3つのポイント
①加速思考症候群とは取り越し苦労だ
②脳をパソコンで例えると、無意識に色々なファルダを開けてフリーズしている
③「疑う・批判する・決断する」を実践しよう
①加速思考症候群とは取り越し苦労だ
著者は加速思考症候群の症状として16項目を挙げている。
16項目!とその数に驚くが、中でも「取り越し苦労」が最たる症状の一つだという。
取り越し苦労とは、まだ起こってもいないことを心の中で思い描いて苦悩すること。
日常的に考えすぎて不安を抱え、脳が膨大なエネルギーを消費する。
その為、朝起きた時からすでに疲れている状態になる。
なぜ取り越し苦労をしてしまうのか。
原因として挙げているのは7項目もある(著者の項目は基本的に多い)
□情報過多
□過度の活動
□過度の知的作業
etc
要は「過度・過剰」が問題となる。
脳は、情報を整理する時間が必要なのだが、スマートホンの普及により、整理する時間が削られ、収集する時間が多くなっている。
そのせいで、脳は休むことができず、疲労してしまう。
②脳をパソコンで例えると、無意識に色々なファルダを開けてフリーズしている
本を読んでも分かりづらい点が多すぎる…、
なので、私の言葉に変換してまとめます。間違っている可能もあるので、ご了承ください。
人間の脳をパソコンに例えます。
パソコンには、フォルダがいくつか用意してあります。
そのフォルダを「窓」と呼びます。
「窓」の中には様々なファイルがあり、なかには恐怖症が含まれたファイルもあります。
このファイルが入っているフォルダを、「キラー窓」と呼びます。
ファイルを選択するには、カーソルを動かしてクリックする必要があります。
このクリックを「引き金」と呼びます。
「キラー窓」をクリックして開けてしまうと、そのほかのフォルダを開くことが難しくなります。
容量が大きすぎて、パソコンの処理能力が追い付かないのですね。
こうした現象を、「記憶閉回路症候群」と呼びます。
さて、目の前のパソコンを操作しているのは誰かというと、「自己」になります。
しかし、パソコンは便利なので、「自己」がマウスを動かさなくても、自動で処理してくれる機能があります。
これを、「オートフロー」と言います。
ここで大切になるのは、「窓」も「引き金」も「オートフロー」もすべて、「無意識」で動いているということです。
パソコンが自動(無意識)で動いてしまうと、開かなくて良いフォルダを開いてしまったり、勝手にウイルスを取り込んでしまう恐れがあります。
それを制御するのが「自己」ですが、健全でない「自己」では、パソコンをうまく制御できません。
ここまで説明すればなんとなくわかるかと思いますが、加速思考症候群は、パソコンが勝手に作動して、フォルダを開けまくったり、逆に開けられなくなった状態になります。
つまり、フリーズ状態です。
では、どうすれば加速思考症候群を抑えることができるのでしょうか。
③「疑う・批判する・決断する」を実践しよう
加速思考症候群を抑えるには、下記3つが大事だという(3つに絞った著者、偉いぞ!)
・疑う
・批判する
・決断する
上記のように、本当に自分が信じていることは本当に正しいのか「疑ってみる」必要がある。
次に、否定的な思考や不穏な感情の一つ一つを「批判」する。
ちなみに、他人が言っていることを批判するのではなく、自分の感情を批判することをいう。
そして、「決断」する。自分の生活の質や社会との関係性をどのようにしたいのかを意図的に決める。
この三つを日常生活で意識的に行うことが大切となる。
これら3つは一人で実践できるから良いですね。
■執筆後のひとこと
なかなか読みずらい本だった。
まとめるのも大変だった。
「加速し公症候群とは?」の説明がほとんど見当たらないのが驚いた。
そして、その症候群を抑える実践方法の説明が少ないことにも驚いた。
「疑う・批判する・決断する」は4ページしかない。
でも、本は180ページを超える。
ほとんどのページに「私の研究がいかに大変だったか~」みたいな、著者の体験がふんだんに盛り込まれている。
「じゃあ読まないほいがいいのか」と言われたら、読んでみても良いと思う。
この本を読むと、スマホで検索するのをためらうようになる。
「あ、今、情報入れようとしちゃってた」という感じで。
そして、情報を入れるのではなく、noteに情報をアウトプットするように気持ちが切り替わる。
うん、いいことだ。
でも、私が情報を提供することは、誰かを加速思考症候群にさせはしないだろうか?
いや、大丈夫だ。
だって、私、全く人気ないですから!