【読書感想】だれとも打ち解けられない人 / 加藤諦三
題名:だれとも打ち解けられない人
作者:加藤諦三
■気力の変化※読み終えて気分がどのくらい高揚したかの個人的指標(1~100)
読前気力「47」
読後気力「58」
■読後の一言
「だれとも打ち解けられない人」って自分の事じゃんと思い、図書館で借りた。
本の内容は、タイトル通りで、打ち解けられない人がなぜそうなったのかの原因と、どうなってしまうのかの結果と、どうすればよいのかの対処法が書かれている。
その為、タイトルに惹かれて読んだ私にとっては、とても興味深い内容だった。
ただし、この本に書かれている打ち解けられない人の特徴すべてに当てはまっている訳ではないので、ここは当たってる、ここは違うと、まるで占い感覚で読んでしまう部分もあった。
総じて、読後は自己理解に役立ったと思う。
■誰かに勧めるなら
・だれとも打ち解けられない人
・人間関係で悩んでいる人
■3つのポイント
①なぜ、だれとも打ち解けられないのか
②だれとも打ち解けられない人は、うつになりやすい
③打ち解けられるようにするには、どうすればいいのか
①なぜ、だれとも打ち解けられないのか
□休養を取っても疲れが取れない
□自分の弱点にとらわれてしまう
□相手がどう思うかが気になってしまう
こうした特徴を持っている人は、だれとも打ち解けられない人かもしれない。
人と会えば自分の弱点が気になり、相手にどう思われるかで頭がいっぱいになる。なので、誰とも会わずに家で横になってみるが、疲れが取れない。
休養は、体の疲れだけでなく心の疲れを癒すことだという。
その為、本音で話して人と打ち解ける必要がある。
それができないのはなぜか、
原因は、幼少期の家庭環境にある。
親に甘えることができず、信頼関係が作れなかったこと。
子供はコミュニケーションの仕方がわからないまま育つことになる。
親から守られている感覚が薄いため、自分で自分のことを守ろうとする。
その結果、一見まじめで社会的にうまく適応できているようでも、自立していない
「偽りの自己」ができてしまう。
「偽りの自己」の人は、孤独になりたくないから努力する。いい人を演じる。しかし、そこに楽しさはない。
いい人を演じているだけなので、本当の優しい人にはなれない。
弱点をなくして実力を高めようとしたり、いい人になろうとする。
こうした努力が、すべて打ち解けられない人へとつながってしまう。
その原因が、幼少期の親との関係でほとんど決まってしまうのだ。
②だれとも打ち解けられない人は、うつになりやすい
著者は、「悔しい感情の出し方を知っていれば、うつ病にならない」と言う。
なぜ、悔しい感情を出せないのか。
その理由は二つある。
一つが、寂しさ。誰かに嫌われて孤独になりたくないから。
もう一つが、優しさ。自分の苦しさより相手に合わせる方を優先する。
こうした性格は、幼少期の家庭環境で培われていく。
そして、学校や社会に出ても、寂しさや優しさから、いやなことでも我慢し続けてうつ状態になっていく。
努力をしても、親から認められなかった。
つらいときに、そのつらさを分かってもらえなかった。
また、「つらかったね」と口先は優しいが、騙してくる人にあたってしまう。
そうした経験が不快な感情を長引かせて、心身ともに疲弊していく。
打ち解けられる人がいないため、一人で抱えてしまう。
その為、うつになりやすい。
③打ち解けられるようにするには、どうすればいいのか
行動あるのみ、という感じですね。
アンデシュ・ハンセンのストレス脳でも指摘がありましたが、やっぱり孤独はまずいみたいです。
ただ、幼少期の経験から、自分は周りから嫌われている等の、自己否定が付きまとっていると思います。
なので、著者は、自分の好きなことを見つけたり、「無駄は誰の人生にもある」ものだから、
「こんなことになってしまった」と思っても、頑張ってここまで来れたのだ、と思うことが大事だという。
まずは自分を認めることが大切なのですね。
■執筆後のひとこと
幼少期の自分に、打ち解けられない性格の原因があるという。
振り返ってみる。
確かに、シャイだった。
父親とはほとんど話せていなかった気がする。
母親からはよく怒られていた気がする。
それでも、恨んだことは一度もないし、育ててくれたことに感謝している。
いや、感謝しないといけないと思っている。
それはなぜ?
そういう人にならないといけないと思っているから。
それはなぜ?
常識的に親に感謝しないと人としてだめだと思っているから。
それはなぜ?
それは……、
自己分析の励みになりました。