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【短編選集】‡3 電脳病毒 #132_311
「あのおやじ、人当たり悪いからな」と佐田。
「そんな暇あるのか?薫陶、おまえ、国に戻ることができたとしても・・・。国ができたとしても、それどころじゃない」高橋は意味深なことを言う。
薫陶は、うつ向いたまま黙っている。
「余計なことせずに勉強しろ」高橋は食堂を出ていく。
「もう一度、行ってみます。あの店へ」、薫陶が佐田に話かける。
「集金ついでじゃなくて、客として行けばいいんだ。次は」
「客?」
「講習やっているから。この土地じゃ、あのおやじのサーフィンが一番確かだ」
「確か?」
「ただ、浮かれ気分で流行を追いかけるような人間とは付き合わない。頑固者ってやつさ」