唐突に死にたくなった話
自己肯定感が低いという自覚はあった。
しかし、それなりに幸せな環境にいるという自覚もあった。
そんなある日、勉強をしている最中、ふと、
「死にたい」と思った。
いじめられてなどいないし、不登校でもない。
ただただ死にたいと思ったのだ。
はさみを胸に向ける。
胸の奥が苦しくなった。拍動が激しくなる。
手が震える。息が苦しくなる。涙が出る。
「私は生きたがっている」そう感じ、はさみを机に戻した。
あれから何年も経つが唐突に同じことを繰り返す。
次第に苦しさもなくなり、手も震えなくなった。
こうして生きている実感すら失うのだろうか。
だが、私は生きてる。
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