二人のプリンセス 愛と憎しみの魔法 エピローグ(2-4)
「簡単に殺すのが惜しくなってきたわ。今すぐ誰にも知られないように、トリスタナ王国を出てどこかに行きなさい。保護もなく一人で生きる辛さを知るといいわ。もし、イゾラデ王国に戻ろうとすれば、すぐにあなたを始末するわよ。ミレーネが婚約者のルキウス王子に黙って行方をくらませれば、国王と王妃の面子も潰れて、国の信用もなくなるでしょうね。ミレーネは婚約者ばかりか国も失うわけ。想像するだけでいい気味だわ」
「いやよ。私はルキウスさまを愛しているの。黙って姿を消すなんてできないわ。メルシア、