流星群
「もし片割れに出会えたら、一緒に星を見ているイメージがずっとあったんだ」
そんな風なことを彼女は言っていた。
「いつか南の島で一緒に見よう」と言ったけれど違うみたい。
寒い中見るのは辛いなと僕は言ったけれど、彼女のイメージでは寒い中見るようだ。
一緒に星を見るのはずっと先だと思ったけれど、その数日後にふたご座流星群のニュースが届いた。
これのことかと思った。
出会ったばかりの双子の魂に双子座の流星群は意味がありそう。
12月13日の深夜がよく見えるそうだ。
一緒に見ようって約束をした。
13日二人は京都の日帰り旅行で満たされてしまった。
くっついて寝転がったまま、眠ってしまった。
途中深夜に大きな物音で二人は叩き起こされて、二人で外に出て空を見たけれど薄曇りで普通の星も見る事が出来なかった。
今日は無理そうだねと言って諦めることにした。
翌日14日、彼女の仕事が終わったら一緒に夜ご飯を作って食べて、その後流れ星を見に行こうかとLINEで提案したら、「それで決定!」と確信に満ちた返事が返ってきた。
僕はこの時に魂と賭けをしていた。
彼女が片割れであるのなら、一緒に同じ流れ星を見る事が出来るはずだよねって。
夜ご飯はベジの豚汁?と納豆と雑穀米のご飯を一緒に作って食べた。
とても美味しかった。
そして、出発。
凍える寒さの中、歩いてレンタルの電動自転車の時間貸ししているところに行って、その後彼女がおすすめの展望台に連れて行ってくれた。
電動自転車じゃなかったら無理なほど坂道を登った。
そして、自転車を降りて展望台への階段を登ると、そこには神戸の素晴らしい夜景が待っていた。
とても綺麗だった。
展望台にはカップルが他に2組いて、たった一つのベンチも座られていたけれど、すぐにカップルはいなくなって僕たちが座らせてもらえた。
そのベンチは背中が丸く沿っていて、星空を見上げ続けるのに完璧なものだった。
何もかも用意してくれている。
そして、彼女が流れ星を見つけた。
僕は分からなかった。
一緒に同じ流れ星を見たい。
「あ!」
一緒のところを指差した。
一緒に流れ星を見れた。
新月の数時間前。
双子の魂は双子座の流れ星を見る事ができた。
彼女のイメージも現実になった。
「私達のことをみんなが歓迎してくれている。」
彼女がそうよく言う。
周囲の人々も天も。
本当にそう思う。
出会ってからの全ての事に素敵な計らいを感じる。
やっとやっと会えた片割れ。
拭いきれない不安もまだ残っているけれど、紡いでいける二人の時間がとても幸せで有り難い。