「アリータ・バトルエンジェル」を見た(ネタバレあり)
まえおき
舞台は、空中に浮かぶ都市ザレムと、地上にある鉄の街アイアンシティに分断された世界です。
ザレムからは、定期的に様々なものが捨てられていて、地上のアイアンシティではそれらを拾って利用して生活をしていて、両方の世界には大きな隔たりがあります。
アイアンシティの人たちは、ザレムは楽園であると信じていて、なんとかザレムに行く機会を手に入れようと考えています。
この世界では、人間も体の一部をサイボーグ化するのが一般的になっていて、その専門医であるイドは、ある日ほぼ頭部だけになった少女のサイボーグを発見し、いまは亡き娘に使用するはずだったボディを転用し、少女を復活させるところから話が始まります。
作り込まれた世界観に魅了される
見て圧倒されるのが、空中都市の浮かんでいるアイアンシティの作り込み方です。建物や道の質感、通行人自身の造形、乗り物、着ている服のデザインなどなど細かいところまで創り込まれているので、とてもリアリティがあり、映画の世界に自然に入り込むことができます。
さらに、主人公のボディの細かい装飾が非常に凝っていて、この辺りのこだわりは正直テンション上がったところです。
フィクションの映画では、世界観の作り込みは没入感を左右するのでとても重要なので、この点についてもとても好感が持てました。
原作を知らなくても問題ない
この映画を見る人は、おそらく原作が日本のコミック「銃夢」ということはご存知だと思うのですが、自分はそのことを知らずに見ました。
それでも、十分に世界に入り込めましたし、前情報や設定を知らないとストーリーが理解できないほど複雑ではなかったので、興味があればどの他でも楽しめると思います。
キャラクターがかなり単純
先に述べたように、世界観、キャラクターデザインなど拘りを持って作られていますし、ストーリーも楽しめたのですが、総じてキャラクター態様にもう少し深みを持たせて欲しかったと感じました。
例えば、主人公のアリータは、ヒューゴに対してほぼ何のきっかけもなく単なる一目惚れで惹かれてしまいますし、チレンが後半にとる行動についても、これといったきっかけが明確に示されなかったため、唐突感が否めませんでした。
自分が見逃していただけなのかもしれませんが、もう一歩踏み込んで、キャラクターの心が動くきっかけになったイベントを仕込んでもらえていたら、より良くなったと思います。
それではまた次回!