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「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」を見た(ネタバレあり)


はじめに

青柳碧人さん原作の同名小説の映画化。Netflixでの配信。

旅をしている赤ずきんが、通りかかりに出会ったシンデレラとお城で開催されるパーティに出席するべく城へ向かう途中、馬車で人を引いてしまう。よく見ると、死体はすでに死亡していた様子であったが、白のパーティに間に合わないため、道端に埋めて先を急いだ。

パーティでは、王子の妃を決めるべく王子はダンスの相手にシンデレラを選ぶが、その時城のお抱え美容師ハンスの死体が発見されたとの連絡が入る。

赤ずきんがなぜが冒険に出た先で、シンデレラの話に首を突っ込んでいくような流れで、どこまでが知っている内容になるのか、どこからが違うのかをドキドキしながら最後まで見られた。

冒頭は、そもそも赤ずきんがどうして冒険しているのか、どういう理由でシンデレラの物語に入っていくのか、というところが気になっていたが、見てる間に気にならなくなった。

とにかく、放っておけばいいにも関わらず、赤ずきんがどんどん割って入ってきて、問題を解決していくというパターンになっている。侍従長などは「赤ずきん先生」と呼んでしまう始末。

巧みなストーリー展開

意図的なのかがわからないのだが、死体が発見されて最終的にパーティーが終わる前半までは、なんとなく、推理ものとしては論理の詰めがアマく話が進んでいく。ただ、後半に入ると赤ずきんが急に働き出して一気に解決に持っていくような印象を受けた。

終始緩急をつけた演出と、後半にシンデレラの行動、なぜ彼女が裸足だったのか、死体を轢いてしまったこと、途中出てきた証言者といった数々の伏線が綺麗に回収されていくのは、見ていてストレスのない流れだった。

特に、冒頭で赤ずきんに絡んでくる魔法使いのバーバラが、靴にかける魔法が大の苦手という設定があるのだが、これが最後にうまく効いてくるのも、緻密に計算されているなと感じた。

随所に配置された名優たち

まずは、橋本環奈さんの赤ずきんは、主人公ながらメインの話はシンデレラであるところ、つでに前面に出ているのではなく、時にシンデレラが前に出られるよう控えめに演じ、必要なところろは前に出ていくという非常に巧い演技が光った。特に、佐藤二朗、ムロツヨシ、キムラ緑子、真矢みきといった、存在感の強いキャラクターがいたにも関わらず、存在感が薄れることがないのが、若いながら安定の演技力と言える。

また、魔法使いのバーバラ役のキムラ緑さんは、前半部分はかなり存在感を示していた。一見、強面な魔女なのだが、全くのダメダメなのかと思えば、しっかりかぼちゃの馬車とネズミの御者は出現させられるという、このストーリーではかなり重要な役回りをしっかりと演じきっている。

あと個人的に、イチオシの佐藤二朗が出ていたのは、非常に嬉しい。おそらく、彼としてはもう少し自由な演技がしたかったのかもしれないが、王様の役をしっかりと演じていた。

できれば、赤ずきんの冒険をもっと見たい。



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