「グレイハウンド」を見た(ネタバレあり)
「姿の見えないUボートとの戦いを描いたスリリングな洋上戦闘活劇」
まえふり
第二次世界大戦中に太西洋を横断する補給船団を護衛する任務に就いた、駆逐艦キーリングの艦長クラウス(トム・ハンクス)を中心に他の護衛艦ハリー、イーグル、ディッキー(いずれもコールサイン)と共に輸送船団を襲い連合国軍の補給を断とうとする潜水艦Uボートとの戦いを描いた映画だ。
姿が見えない不気味なUボート(潜水艦)たちが怖い
この映画は、ほぼ護衛艦キーリングとUボート達(複数艦存在)との戦闘シーンを中心に話が進んでいく。冒頭に他の護衛艦も登場するにはするが、ほぼ艦長のクラウスが通信機でやり取りを行う時に声(おそらく各艦の艦長)が登場するにとどまるので、ほとんどがキーリングの艦内のシーンになる。
キーリング艦長クラウスが艦内や僚艦に指示を出しながら、操舵手、ソナー手、各砲塔、機関砲の担当者が、キビキビ動き、それに伴い艦長も右へ左へ動きながら、神出鬼没のUボードの攻撃に対応してく。
この時期は、近代戦と異なり、相手が戦艦とはいえ目視に頼るところも大きいため、割と外に出て双眼鏡で状況を確認するシーンも多い。そこで、艦長も左の甲板に出たり、右の甲板に出て確認したりと結構忙しく移動する。
それとは反対に、Uボートは時折養生に艦橋を表すシーン以外は、全くほとんど映像では出てこない。潜水艦の乗組員もほとんど登場しない。そのため、文字通り姿の見えない敵と戦っていると言う緊張感を持たせる効果を出しているとともに、終始不気味で何を考えているのかわからないという効果を生んでいる。加えて、キーリングの動きが「動」、Uボートは「静」という対比にもなっている。
戦うだけではない
キーリングは、ひたすら繰り返されるUボートの攻撃に対し、僚艦のディッキー、ハリー、イグルなどとも連携しつつ善戦するが、結局、輸送艦を4隻、護衛艦も1隻、失い自身の鑑からも3名の戦死者を出してしまう。
いよいよ、弾薬、燃料もつきかけ、Uボートの攻撃が再開され、いよいよ覚悟を決めたときに、増援が駆けつけかろうじて救われた形になる。
大きな損害を出してしまったため、自分の任務が果たせずに、打ちひしがれるクラウスだったが、増援にきた護衛艦と交代するために船団を立ち去ろうとするキーリングに輸送艦の組員達が甲板から感謝の声援を送っている姿を見るのだが、このシーンは少しグッときてしまった。
それまでは、ほとんどキーリング鑑内のシーンがメインだっため、意表をついた演出だった。
なんとなく食い足りない感じ
とは言うものの、戦闘シーンも個人的には潜水艦側の人の動きだったりも表現されていたほうが、もう少し厚みが出たような気もして、全体的に綺麗にまとまってはいるものの、物足りなさを感じた。
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