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7月8日(1995年) 諦めたらそこで試合終了
勝利を確信出来るほどの点差をつけて、試合終了の笛を待つほうが、心臓にも順位にもいいはず。
それでもこんな試合を見てしまったら、もう好きにならずにはいられないと思う。
テレビ観戦の私ですら、何年経っても忘れられないのだから、現地にいたサポーターの心にはしっかりと焼き付いているに違いない。
1―1のスコアのまま、試合時間は残りわずか。
なんと89分に広島に逆転勝ち越しゴールを決められてしまう。
マリノス戦で名を知らしめた福永選手は、この日も負傷の岡野選手に代わって、63分に途中出場していた。
ロスタイムもそろそろ終わりそうなその時、クロスがゴール前に入り、ギドがDFと競り合ったボールが福永選手の前に落ちる。
ボレーシュートは同点弾となって試合は延長に持ち込まれた。
持ってる人のところには、ボールが向こうからやってくるんだな…などと、素人の私は思っていたけれど、何か起こるとしたらギドの周りだと予測してあの場所にいたと後に本人が語っていた。
彼の活躍は運や偶然では無いのだ。
試合は延長に入ってすぐ、福田選手のVゴールで勝利。
喜ぶ福福コンビのシーンは、その週のサッカー雑誌の表紙になっていた。
あの時間での失点は、がっくりの度合いが違う。
それでも勝ちを手に出来たのは、誰も諦めていなかったからなのか、そうさせる大宮サッカー場の空気だったのか。
この年のレッズは、「RISING REDS」そのものだった。