人生の変わり目は、わりと日常にある
生きるって、そういうこと
妻はバセドウ病。
体調が日によって、ジェットコースター並みに変化する。
そんな妻は、どんなに心身つらくても、
仕事を休まない。
ぼくは、そんな妻を励まし、
仕事に送り出してきた。
社会で生きるって、そういうことだと思っていた。
何年も、何年も、何年も。
朝のできごと
ある朝、
しんど過ぎて、苦しくて、
どうしようもなくて、泣いてる妻に、
「今日は、『風邪をひいたみたいで熱がある』って、
仕事を休んでもいいんだよ」。
と、ぼく。
自分でも意外なことばが
口をついて出た。
ウソをついても
後ろめたさを感じなかったのは、
年をとったせいか、
はたまた、
社会を敵に回してでも、
妻を愛し守ることを選んだ
ぼくの成長か。
結び目
妻は、以外にも、
ぼくの提案を素直に受け入れ、
その日、仕事を休んだ。
安心したのか、
すぐに深い眠りに就いた。
何だか、
長いあいだ絡まっていた固い結び目が
ふっ
と、ほどけていく感じがした。
人が生きていくって
こういうことかなって
思った。
人生の変わり目
~ 愛する妻へ ~
世の中は何も変わってないし、
君の病気が、
完全に取り除かれたわけではないけど、
ぼくらの人生
何だか、
好転しはじめた実感しない?!
「ねえ、
いっしょに明日も
生きていこうよ、
新しいみちをさ」。
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