生米からつくる「酒粕味噌粥」のレシピ
甘酒、粕漬け、奈良漬、そして日本酒。これらの酒粕系の香りがたまらなく好きなので、酒粕粥にメロメロです…!
おかゆに酒粕を混ぜ込むだけで、お味に深みがでるし、香りも華やかになるし。身体がじわ〜んと温まって、最高のおかゆの完成です。
酒粕とは日本酒(清酒)を作る際にでる、絞りかすのこと。
名前こそ酒粕ですが、ぜんっぜんカスじゃない。食物繊維、たんぱく質、ビタミンB群、オリゴ糖、ペプチド……たくさんの栄養成分が驚くほどぎゅ〜っと詰まっています。(どれも健康食品やサプリのパッケージに載っている栄養素…!)
今回はお味噌も一緒に使うことで、酒粕を食べ慣れていない方でも親しみやすいお味に仕上げました。お味噌の種類にもこだわりたくなるところですが、まずはいつも使っているお味噌で作ると、酒粕の個性が掴めます。
おいしく作るポイントは、酒粕と味噌を最後の最後に入れること。少量のお湯で溶かしてから入れること。これさえ守れば、おかゆの作り方はなんでもOK。無視してOK。インスタントのおかゆに混ぜ込んでもOK。
ほんのちょっとのちょい足しで、こんなにおいしくなるのか〜と感動しますよ〜!
かすはかすでもカスじゃない「酒粕味噌粥」
生米からつくるので、炊いたご飯のストックがなくても大丈夫。じっくり火を入れるため、ふっくらおいしいおかゆになります。完成まで50分〜1時間ほどかかりますが、多くの時間は放置ができるのでそれほど手間はかかりません。
記事の後半では写真とともに詳しい作り方をご説明いたします!
【 材料 】(2人前)
▶︎ 米 ・・・1/2合
▶︎ 水 ・・・700ml
▶︎ 昆布 ・・・10cm
▶︎ 酒粕 ・・・大さじ1
▶︎ みそ ・・・大さじ1/2
▶︎ 塩 ・・・小さじ1/2〜1
お好みで
▷ 山椒など
※酒粕にはアルコールが含まれています。ご注意ください。
【 レシピ 】
★前日に昆布を細切りにして水につけておく。
①厚手の鍋によく研いだ米、昆布を水ごと入れる。このとき水が700mlになるように調節する。
②鍋を中火にかける。このときフタはしない。小さな泡が立ってきたら、昆布をお鍋から取り出す。
③お鍋がポコポコとし始めたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。鍋にお箸を渡してフタをした状態で、弱火に30分かける。
④酒粕・味噌を少量のお湯(分量外)で溶かし、お鍋に入れる。
塩で味をととのえ、鍋全体をゆっくりとまぜたら、火を止める。
フタをして10分蒸らす。器にもりつけたら、完成!
【 つくりかた (写真つき)】
ここからは写真とともに詳しい作り方を解説いたします!
★前日の用意
手のひらサイズの昆布をさっと流水で洗い、キッチンはさみで細切りにします。
さっと水に濡らすことで表面の汚れが落ちて、ハサミで切りやすくなります。昆布の旨味は断面から出てくるそうなので、いつも細めに切っています。
たっぷりの水にひたし、ラップをして冷蔵庫で一晩放置します。
季節問わず、冷蔵庫の中で保管します。最低でも2〜3時間は時間をとります。それよりも短くなってしまう場合は、顆粒の和風だし(ほんだしなど)を利用する方がよいかもしれません。
①準備
水がにごらなくなるまで、お米(半合)をていねいに研ぎます。
厚手のお鍋に、生米、つけておいた昆布を水ごと入れます。
このとき、水が700mlになるように調節をします。
昆布の代わりに顆粒の和風だしを入れる場合は、小さじ1ほど入れます。
お鍋は土鍋、片手鍋、両手鍋など、フタつきのものならなんでもOKです!なるべく厚手のもののほうが焦げつきにくくておすすめです。
今回は、宮崎製作所ジオの片手鍋18cmを使用しました。
②中火
用意ができたら、お鍋を中火にかけます。このときフタはしません。
中火は、炎の先端がちょうど鍋底につくくらいの強さです。しっかりと鍋の中心と火の中心を合わせることで、焦げ付きや加熱のムラを防ぐことができます。
小さな泡が立ってきたら、昆布をお鍋から取り出します。
昆布を煮立ててしまうと臭みが出てしまうため、このタイミングで取り出します。アクが浮いている場合はさっとすくい取ります。
③弱火
お鍋がポコポコとし始めたら、おたまで混ぜます。
鍋底に米粒が張りついているので、おたまではがすようにそ〜っとていねいに混ぜます。
吹きこぼれを防止するためにフタに菜箸をはさんだ状態で、30分間弱火にかけます。
写真のようにお箸をはさんでおけば吹きこぼれることはないので、目を離して大丈夫です。忘れないようにタイマーをセットしておきましょう。
④仕上
30分弱火にかけたら、酒粕(大さじ1)と味噌(大さじ1/2)を少量のお湯(分量外)で溶かしてお鍋に入れます。
写真で見てもわかる通り、ずいぶん雑な溶かし方をしましたがちゃんとおかゆに馴染みました。笑
やわらかめの酒粕だったのかもしれません。
濾し器をお持ちの方は、丁寧に濾すという手も。こだわり度でご判断ください。
お塩(小さじ1/2〜1程度)を入れて、味をととのえます。全体を混ぜて、火を止めます。
塩の量で味を調整します。甘みの強い酒粕、クセの強い味噌等、酒粕や味噌の個性は様々です。今回、酒粕と味噌は「風味付け」の役割。味を決めるのは塩です。酒粕や味噌の量で味を調節しようとすると、どんどん味が濃くなる迷宮にハマる可能性が高いので、塩の量で味を調節すると失敗を避けられます。
10分間、フタをして蒸らします。
しっかり蒸らし時間を確保することで、よりふっくらとしたおかゆに仕上がります。
蒸らしが完了したら、器に盛りつけて完成です!
はわ〜…良い香り……!
「お米と酒粕」は「お豆腐と醤油」と同じようにそもそもの原料がものすごく近いものですから、そりゃもう馴染みます。
元からこういうものです、って言うくらいの馴染みよう。あ〜おいしい!
酒粕がやさしい甘い香りなので、山椒のキリッとした香りが引き立ちます。柚子、柚子胡椒、おろし生姜、みつばなどのシャキンとした香りのものと相性が良さそうです。
ちなみに、昆布出汁でおかゆを炊いたときは、お出汁をとったあとの昆布もいただいています。
上に盛りつけることもありますが、今回は昆布をお皿の底に敷いて……
その上におかゆを盛りつけました。
昆布が温まってさらにやわらかくなりますし、昆布を雑に切っても見栄えに反映されないので笑、お気に入りの盛りつけです。
「わ〜昆布入ってた!」と具っぽく思えるのもいいですよね。
食べたあとは、じんわりじんわり。
身体がぽっかぽかに温まりました。
酒粕の旬は冬から春!
酒粕はスーパーで300円くらいから売っています。スーパーでは、お豆腐コーナーやお漬物コーナーに並んでいることが多いです。
今回使用した酒粕は「井上農園・つやひめ100% 純米吟醸の酒粕」。デパートの食品売り場で400円ほどでした。
実は、日本酒は麹菌が元気な寒い季節、12月~3月ごろしかつくられません。酒粕はお酒を作る過程で生まれる副産物なので、酒粕の旬も12月~3月ごろ!今がチャンス!
酒粕は日持ちするため種類を選ばなければ年間を通して手に入りますが、ちょっぴりこだわり酒系の酒粕は旬を逃すと手に入りません。(手作りっぽいパッケージのものは、旬ものの可能性が高いです◎)
酒粕はめちゃめちゃ個性があるので、比べてみるとおもしろいですよ。
送料分割高な気もしますが、ネットで買うこともできます。種類も価格も様々。
あ、夫が好きな沢の鶴の酒粕だ。
甘酒や粕汁も良いけれど、酒粕粥なら主役のごはんになっちゃいます。
酒粕をたんまり買い込んだら、ぜひ効き酒粕に酒粕粥をお試しください。笑
今日も長〜いレシピを読んでくださってありがとうございました。
明日もおいしいおかゆを作ります。ごちそうさまでした!
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