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まだ高嶺の花ではない彼女へ
モブサイコ100という作品において、高嶺ツボミの存在はかなり重要だ。
そして、従来の作品とは異なる、異質なヒロインである。
超能力(間違えると人を物理的に傷つけるシロモノ)って、持ってても無意味というか、本質的に愛される、尊敬されることに繋がらない。無意味だ。という意識を彼女はモブくんに対して自然と植え付けた。(幼少期)
その辺のコントロールというか意識の持っていきかたは、霊幻師匠の方が注目されているし、実際そうだとは思うけど、高嶺ツボミが無意識に土台を作ってたんだろうなと思う。
ヒロインって存在は、やはり男性向けラブコメや少年誌ではかわいがられたり、彼女達自身の意思はそこにはないんじゃないのか?という立ち位置だったりする。読者側に気に入られるような属性が付与されていることが多い。
(偏った見方かもしれない。そうじゃない作品も勿論ある。女性向け作品のイケメンもその傾向はあるかも。)
でも高嶺ツボミは、ヒロイン(主人公が好きな相手)というには出演回数が少ない。なんならツボミちゃんは冷たい印象を受けるようにワザと描写されている気がする。
そして自分の意思を固く持った何にも靡かぬ強い女って、主人公にメロメロにさせ、最終的にくっつけたいヒロインにつける属性にしては厄介すぎる。
そもそもとして、モブサイコはラブコメじゃなくて人間ドラマ的な側面が強い。「くっつけたいヒロイン」「読者から気に入られるヒロイン」ではなく、「ただ、モブの好きな人」という立ち位置なのがすごい新しい。
「高嶺ツボミ」……名前も良い。あえてツボミなのは中学生だからか?
手の届かない美少女の「高嶺の花」。
モブくんとくっつかないことの示唆かもしれないし、逆に、生徒会長や教祖になるかも?というフェーズで「ツボミちゃんと付き合えるかもよ?」とチラつかせるキャラクターがいるのは、彼女に届く権力を手にできればもしや…?という部分にあると思う。(実際、彼女はそんなことでは靡かないが。)
基本、高嶺の花的なヒロインは、彼女自身は優しく皆を受け入れる存在であるが、周りにファンクラブ等の牽制の姿勢があるから近づけない空気感をつくっている場合が多い。
「〇〇さんはみんなのアイドルなんだから、抜け駆けは無しな!」のような。
しかし高嶺ツボミはそんな扱いはされておらず、「ただ、気が強い」「意思が強い」その一点である。男子からの告白をバッサリ断っている。サイコヘルメット教に最後まで抗った。
従来の「高嶺の花」ではないから、「ツボミ」なのかもしれない。
普通に鼻水が出る描写もあるし。