脳の中に新しい回路を作る(ジャズの練習と英語学習は似てる!?①)
ジャズを練習しているうちに、脳に新しい回路ができた!?
ジャズを練習するようになってから、これってどこか英語の学習に似てるなぁと常々感じています。その心は・・・体系的に学びつつ練習を重ねて、自分の脳の中に新しい回路を作っていくような試みだからだと思います。
つい最近、数ヶ月繰り返しているうちに、できなかったことがある日突然できるようになった!という体験をしました。
私は子供の頃にピアノを習っていた時の名残で、左手でコード(和音)、右手でメロディを弾くものという発想が頭にありました。これでも悪いわけではないのですが、ジャズはもっと自由で、左手でベース音を弾きつつ、右手でメロディと並行してコードの一部を弾くことも可能です。そこにさらに音を足していったり、リズムをつけたりして、自由で躍動感のある演奏が生まれます。
つまり、よりジャズらしい表現に近づいていくためには、自分の中にある「ピアノを弾くとはこういうこと」という概念を一旦忘れて、新しい考え方に慣れる必要があったわけです。しかし、頭で理解はできても、子供の頃にやったことは身体がよく覚えているもので、鍵盤の上ではなかなかすんなりとはいきません。
新しいプログラムを頭と身体にインストールするように、楽譜とにらめっこしてブツブツ言いながら鍵盤を一つずつ押さえ、という作業を来る日も来る日も繰り返していました。こんなのいつかできるようになる日は来るのかしら!?と思いながら・・・
そうしたら何の前触れもなく、突然できたんです!自分でもなぜだか全然わからないのですが、ふいに、楽譜のコード記号を見るだけですらすらと展開して弾けるようになりました。脳の中に今までになかった新しい回路ができたような感覚。人間の能力って本当に不思議です。
そして一回できてしまうと、閾値を超えたように、何度でも再現できるんです。次の日も、また次の日も普通にできる。できなかったころの自分ってどんなだったっけ?と、今ではよく思い出せません。
演奏のレベルではもちろん及びませんが、プロのジャズピアニストが演奏中にやっていることを少し疑似体験できたような、一段大きなステップを上がったような嬉しい出来事でした。
ライブ(会話・演奏)で瞬時にアウトプットするための運用力
初学者から始めて第ニ外国語を学習する過程でも、少なからずこういうことが起きうるのではないかと思います。なぜなら、話せる(弾ける)ようになるということは、英語なら英語の、ジャズならジャズの、断片的な部分ではなく、大きな体系を学んで自分で運用していけるようになることだと思うからです。
英語だったら語彙、イディオム、文法、発音、ヒアリングなど、ジャズだったらコード、メロディ、リズム、アドリブなどのいろんな要素があり、ライブ(会話・演奏)の場面では、その時に自分の持っているものを使って、瞬時に組み立ててなんとかアウトプットしていく必要があります。ゆっくり考えている暇はありません。
最初は母国語や今までの弾き方を手がかりに、要素を個々に学ぶことからスタートしても、いつしか相互に繋がりができ始め、だんだんとそれ自体を自律的に、スピード感をもって運用できるようになっていく。
今日は一時間学習したから一時間分できるようになる、という直線的な上達というより、いろんなものを自分の中に蓄積しているうちに、あるタイミングでパッと視界が開けるようにグンと上達が感じられる。そうなると表現できる幅も広がり、その深さを知ってますます面白くなっていきます。
英語やジャズに限らず、何かに体系的に取り組もうとすることは、何でもそういう側面があるのかも知れません。
「できないことは当たり前」から出発したら、何でもプラス思考に
さて、そんな脳の中の回路をどう作っていくかということなのですが、身も蓋もないことを言ってしまうと、日々実践を続けるしかないということになるのだと思います(^^;
大人になってからジャズを始めた時、「これは大変な世界に足を踏み入れてしまった・・・ww 今からジャズをやるなんて簡単なことじゃないから、できなくても当たり前だな」という、良い意味でのあきらめの気持ちを持つことができました。そうすると、全てがプラス思考(加点主義)になり、些細な進歩や上達も喜べるようになりました。
こういう発想を持てたことは、英語の学習を続ける上でも良い影響を与えてくれています。その時々の自分の状態に一喜一憂せず、新しいイディオムを知った、オンラインレッスンで楽しく話せたなど、小さな一歩の前進を喜び、脳の回路を維持して少しずつ広げていきたいというモチベーションを持ち続けられるようになりました。
すぐに成果を求めず、自分なりに学んでいくプロセス自体を楽しめるようになったことで、結果的に長続きして少しずつ上達しているような気がします。
その②「英語で音楽のリズムを体感する」に続きます。
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