丹後ちりめんの耳糸を利活用 もけもけプロジェクト #1織ってみよう
カヨラボ、もけもけプロジェクト、はじまりまーす!
(以降もけもけPJと略)
こんにちは、ファイバーアート・イノベーターのカヨサトーです。
新しいプロジェクトに取り組むことになりました。わーい。
もけもけPJとは
もけもけPJは丹後ちりめんの郷、与謝野町の織元丹菱株式会社で生産されているレーヨンちりめんの廃棄される耳糸を利活用してみようというプロジェクトです。
耳糸はちりめん生地を織るときに必要な大事な部分で、織物の両端にあります。織った直後にカットされ、生地の巻取りとは別のレーンに集められ、通常は廃棄されています。しかし商品となるちりめんと同じレーヨン糸が使われています。たった数センチ違うだけで、商品となるか廃棄されていくのかが決まります。おんなじ糸なのに、、、です。
商品になれなかった糸たちの思いを考えると、そこに新しい価値を見いだし、再びスポットライトを当てていきたいなぁと思ってしまいます。この素材に対する思いは2021年大阪で開催した「はなむけ。展」でも同様で、久留米絣残糸や久留米織裁断屑布に対して同じ思いを抱き、てインスタレーション作品を制作しました。そして今もずっと、カヨラボの中で繋がっている思いでもあります。
同じ時間と手間をかけて作られた素材、製品。耳糸、経糸本体前後の残糸、裁断した断片、、、彼らもさっきまで同じ所にいたのに、レールから外され廃棄されていく。ものづくりでは仕方がない部分なのだけど、そこに光を当てたい。もったいないとはまた別の感情で、本来商品と同じ素材である彼らだからこそ、そのポテンシャルを充分発揮できるように、アシストしたいと思うのです。カヨラボに出来ることをやってみたい~。
さあ、もけもけ耳糸で布地を織ってみよう
まずは試作をしようと、もけもけ糸コーン1巻きを約50gずつ板杼に巻きました。ネコチャンみたいでもうかわいい。
カラフルな経糸の間をくぐる、もけもけたち。サンプルを一段一段ゆっくり織っていきます。早く動かすと、もけもけのもけもけが舞うのでハクションが出ちゃうのです。窓を開けているため着ぶくれて作業しています。現在2月。。。
織っている途中をご紹介します。
手元にあった2色約300gのもけもけたちを全て織り込みました。別糸を混ぜたり、縞にしたり、サンプルとしてイロイロやってみました。実験は楽しかったです。機から降ろし、端にロックミシンをかけ、長さを計ってみると。
横幅100㎝×縦30㎝、おおむね 10㎝/100g というところですね。
考察
・他の糸と混ぜながら織った所は経糸も見えて表情が出ている
・混ぜてみたい糸が他にもたくさんあるのでまた実験がしたい
・無地の所は毛足を後でカットするわけではないので、ボアとして織られて いる既製品のように毛足の長さが揃わない
・織り上がりは手触りがたいへん柔らかい
・触感を活かして、ポーチやクラッチバックなどを作ると良いかも
さて、次回はこの布地がカタチとなっていきますよ~。
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