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ニューヨークで感じた東京との「子育て環境のギャップ」 :仕事と子育てを両立できる環境

ひとくちにニューヨークといっても州は広く、様々なひとが混在して生活しています。マンハッタンは世田谷区よりも小さいですが、地域によってどの様な住民が住むかが別れています。私は57丁目、レキシントンとパークアベニューの間、いわゆるミッドタウンに住んでいました。その地域の住民として感じたニューヨークと東京との一番大きな子育ての違いは、子育ては、母親と父親が、二人共に行う様にニューヨークでは出来ていることです。

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幼稚園の説明会は両親が共に参加できる様に、仕事を終えて間に合う時間、夕方6時半から7時にスタートします。サマータイムの時期は、仕事を終えてからもまだまだ日が落ちていないので、夕方のセントラルパークではお父さんと子どもが遊ぶ姿が多く見受けられます。お父さんが子育てを母親と分担して行なっている子どもは、満たされている様子の子が多いということにも気がつきました。また、昼間はベビーシッターと共にいる子どもも多くいます。それが良いことかどうかをひとくちに判断することは出来ませんが、母親も仕事をしている人が多いのです。また夫が多くを稼いでいる妻は、昼間は子どもと過ごしても、夜の社交のためにシッターを夕方から雇っている様なパターンもあります。多くの女性が、子どもをもうけても、自らの生活をそれなりに送れるシステムがあります。シッターさんたちも夫婦で仕事をしているパターンが多いのですが、マンハッタンよりも安い地域に暮らし、そこではその人たちの子どもの面倒を見てくれる、幼稚園・保育園があります。日本に帰国した時に私が驚いたことは、ニューヨークのシッターさんの生活よりも、東京の女性にとって仕事を続けることや子育ての環境が難しいということです。同窓会に参加すれば、ほとんどの女性が、子どもが生まれた時に、仕事を辞めていました。仕方ないという諦めとともに残念に思っている人がほとんどでした。

少子化で国力・経済力が落ちるから環境を整える、ということでは戦時下の産めや増やせやと変わらない発想です。女性に仕事と子育ての負担を担う大変さを強いているようにも感じてしまいます。そうではなく子育てが生き方を豊かにし未来を作る大切な仕事として、両親や子育てパートナーが子育てビジョンをよく話し合いながら、大きくプライドが持てる様なクリエイティブな力で実践されていくことが、望まれます。

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[セントラル・パークの動物園はニューヨークっ子のお気に入り]

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