家村佳代子 / Kayoko Iemura
最近の記事
「子どもに手渡したしいことは遊び心と友情の大切さ」 ルアンルパ イスワント・ハルトノさん:クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第15回
今回は建築家でありアーティスト、そしてアート・コレクティブのルアンルパのメンバーでもある、インドネシアをベースに世界で活躍するIswanto Hartono/イスワント・ハルトノさんへのクリエイティブ・ペアレンツインタビューです。ルアンルパは5年に一度ドイツで開かれる世界で最も重要なアートの祭典、ドクメンタ15、2022年開催の芸術監督に就任しました。イスワントは、もうひとりのメンバーの家族と共に、ジャカルタからドクメンタが開催されるカッセルに住まいを移しました。 ルアンル
「人間の物差しを持たないでしっかりその子を見る。そしてそれぞれの子が各々にとって必要な時間をきちんとかけると、持てる力を100パーセントに近く身に付けることができます。」 はじめ塾 和田正宏&麻美さん夫妻(後半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第14回
− 最近の子どもたちの様子で何か変わったと思われること、変わらないことはなんですか? M「子どもたちの本質は変わらないと思います。子どもは条件さえ整えば意欲的です。でもいつでもそうなのではなくて、条件さえ整えばということです。変わった部分というと、学校でも家庭でも正解がある完結した世界でしか育っていない子が多いので、はじめ塾的に言えば関係性を捉える力がとても落ちていると感じています。自分の中だけで物事を見ていると世界は広がっていかない。自分だけの世界にとどまっていて、視野が
生活のなかで実感する体験の学び はじめ塾 和田正宏&麻美さん夫妻 (前半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第13回
今週は小田原の『はじめ塾』の塾長を務めるご夫妻、和田正宏さんと麻美さんにお話をお聞きました。和田さんご夫婦は二人の娘さんと二人の息子さんをもち、はじめ塾寄宿生の学生さん数十人と共に、小田原をベースに暮らしています。 『はじめ塾』は、均一化された教育ではなく、一人一人の特徴に応じて生き方そのものを仲間と体得してゆくような学びの場です。生活を通して生きていくための必要な力をそれぞれの子が身につけていく教育活動の場として、神奈川県を中心に、日本の教育界に長きにわたって影響を与え続
妻と子どもと熟議して決めていく共同体としての家族。アーティストである思考や生き方は子育てや人生の選択に反映されている〜 アーティストの川久保ジョイさん(前半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第11回
金融トレーダーから写真家そして現代アーティストとなった川久保ジョイさんはロンドンで奥様と二人の息子さんと暮らされています。ジョイさんは、日本人の両親のもとスペインのトレドで生まれ18歳まで生活され、大学進学をきっかけに日本に移られ18年間暮らしました。その間結婚し二人のお子さんも設けられています。その後ロンドンに住まいを移されて5年が経っています。職業も生活もダイナミックに動かれているジョイさんは、熟議して決めていく共同体としての家族を大切に築かれているように感じます。 「
「社会の枠にとらわれない内なる感性、天心爛漫さをゆっくり見守る」 山伏でアーティストの坂本大三郎さん(後半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第10回
暮らしの一部としての自然体験は、心の風景の記憶となる宝 —コロナ禍が全国的に広がる中で、山形での娘さんとの暮らしにはどのような変化がありましたか? 「コロナ禍初期は、妻の妊娠初期と重なっており感染のリスクを考慮して、保育園には自主的に行かせないようにしていました。妻はしばらく安静にしていた方が良いとのことだったので、2ヶ月くらい、私が家事と娘の面倒を見ていました。娘とは散歩に行ったり、近所のお年寄りの家に行ったり、あとは身体を動かすのが好きなので、追いかけっこしたりして、
テーブルの裏のお絵かきと、山をただ歩くことで父が導いた私の芸術への道〜クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第8回 :パフォーマーで演出家の松島誠さん(後編)
今週も世界的で活躍するパフォーマー・演出家の松島誠さんのインタビューです。 今回は松島さんのお父様との心打つエピソードをゆっくり読んでいただければと思います。親子の絆や体験が手渡されてゆくことが、ひとりひとりを大事にした心ある未来を作ってゆくことを深く気づかせてくれます。 「子どもが生まれてあらゆる感覚が変わりました。生まれたばかりの小さな柔らかな赤ちゃんの横に寝るときは、踏み潰してしまわないか、心配しました。そのように小さないのちを扱うことで、メンタルが変わるので顔が変
ひらめきや本能的な反応を大事にして、表現や感性にリミットを設けない子育て パフォーマーで演出家の松島誠さん:第7回クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー
パフォーマーで演出家の松島誠さんは、6歳になる娘さんと同じくパフォーマーの奥様と3人で、長年暮らされていた東京から移られて、現在は沼津で暮らされています。 松島さんは、世界で広く知られていたパパ・タラフマラのメイン・パフォーマー、美術家として23年間も活躍され、一方ソロ活動では演劇やダンスの枠にとらわれず、身体表現、ミュージカル、美術、演出と幅広いフィールドにおいて、世界を舞台にして活動されています。奥様もパパ・タラフマラのパフォーマーでした。 学生時代からそして結婚され
多文化都市ケルンでひとつひとつ決断し感性を育む〜クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第6回:作曲家の渡辺裕紀子さん(後半)
多文化なドイツのケルンの街で生活する渡辺さん家族にとっては、当たりまえなことが当たりまえでないことが前提であるがゆえに、「自分で決める」ことが感性にフタをせず深めることとして大切にしています。 自分で決めることて自らの感性にフタをしないー娘さんに対して特に大切にしていることは、どんなことですか? 「普段の生活でも、日本の習慣では、お茶碗を持って食べることが普通ですが、夫の韓国の習慣では、お茶碗を持たず置いて食べるのが普通で、当たり前なことが、一つとないのです。娘には、お茶