家村佳代子 / Kayoko Iemura

建築家、キュレーター、息子2人の母です。 世界の多くの若手アーティスト・クリエイターを育成✏️ 長男はオックスフォード大学院卒業、次男はアメリカのリベラルアーツカレッジ在学中🎓 『世界の転換点でクリエイティブ・ペアレンツになろう!』執筆中。 #子育て #クリエイティブペアレント

家村佳代子 / Kayoko Iemura

建築家、キュレーター、息子2人の母です。 世界の多くの若手アーティスト・クリエイターを育成✏️ 長男はオックスフォード大学院卒業、次男はアメリカのリベラルアーツカレッジ在学中🎓 『世界の転換点でクリエイティブ・ペアレンツになろう!』執筆中。 #子育て #クリエイティブペアレント

最近の記事

アーティストご夫妻岡田裕子&会田誠さん:クリエイティブ・ペアレンツのインタビュー第17回(第3弾)

岡田会田ご夫妻のインタビュー、最後となる第3回はお子さんの寅次郎さんの活動についてお聞きしました! − お子さんとどのように遊んだりしましたか? A:「公園に行くとかはしてましたが、息子はあまり活発に体を動かすことはしませんでしたね。砂場でひたすら穴を掘るとかしてました。」 O:「おもちゃを買うこともほとんどなかったですね。当時は貧しかったし、お下がりで済ませたり・・・。本人があまり欲しがったりしなかったというのもありますが、ただの紙切れ千切って遊んだりしてましたね。幼

    • アーティストご夫妻岡田裕子&会田誠さん:クリエイティブ・ペアレンツのインタビュー第17回(第2弾)

      岡田会田ご夫妻は、それぞれが独立してアーティストとして活躍されると同時に、プライベートだけでなくアート活動の中でもパートナーシップを持ち、協働を続けられています。また、息子さんも一緒に家族で結成したユニット「会田家」の活動と在り方も、アート界に一石を投じるもので、家族やパートナーシップを考えていくうえで多様な可能性を示しています。今回は、会田家の日本の学校教育に対して実感すること、それが都現美の“檄”の表現に成っていく過程、家族が示せる民主主義のベースを伝える大切さについてま

      • アーティストご夫妻 岡田裕子さんと会田誠さん:クリエイティブ・ペアレンツのインタビュー 第16回(前半)

        岡田さん、会田さんともに国内外の第一線で活躍されているアーティスト夫妻です。岡田さんは結婚、出産、子育てなど自ら体験し実感した事をテーマに制作し現代社会へ鋭いメッセージを投げかけています。会田さんも表現の限界に挑戦し続けるような痛烈な批評性を含む作品と発言で多くの支持を集めています。それぞれが独立してアーティストとして活躍されると同時に、パートナーシップをプライベートだけでなくアート活動の中でも持ち、協働を続けられています。また、息子さんも一緒に家族で結成したユニット「会田家

        • 「子どもに手渡したしいことは遊び心と友情の大切さ」 ルアンルパ イスワント・ハルトノさん:クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第15回

          今回は建築家でありアーティスト、そしてアート・コレクティブのルアンルパのメンバーでもある、インドネシアをベースに世界で活躍するIswanto Hartono/イスワント・ハルトノさんへのクリエイティブ・ペアレンツインタビューです。ルアンルパは5年に一度ドイツで開かれる世界で最も重要なアートの祭典、ドクメンタ15、2022年開催の芸術監督に就任しました。イスワントは、もうひとりのメンバーの家族と共に、ジャカルタからドクメンタが開催されるカッセルに住まいを移しました。 ルアンル

          「人間の物差しを持たないでしっかりその子を見る。そしてそれぞれの子が各々にとって必要な時間をきちんとかけると、持てる力を100パーセントに近く身に付けることができます。」 はじめ塾 和田正宏&麻美さん夫妻(後半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第14回

          − 最近の子どもたちの様子で何か変わったと思われること、変わらないことはなんですか? M「子どもたちの本質は変わらないと思います。子どもは条件さえ整えば意欲的です。でもいつでもそうなのではなくて、条件さえ整えばということです。変わった部分というと、学校でも家庭でも正解がある完結した世界でしか育っていない子が多いので、はじめ塾的に言えば関係性を捉える力がとても落ちていると感じています。自分の中だけで物事を見ていると世界は広がっていかない。自分だけの世界にとどまっていて、視野が

          「人間の物差しを持たないでしっかりその子を見る。そしてそれぞれの子が各々にとって必要な時間をきちんとかけると、持てる力を100パーセントに近く身に付けることができます。」 はじめ塾 和田正宏&麻美さん夫妻(後半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第14回

          生活のなかで実感する体験の学び はじめ塾 和田正宏&麻美さん夫妻 (前半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第13回

          今週は小田原の『はじめ塾』の塾長を務めるご夫妻、和田正宏さんと麻美さんにお話をお聞きました。和田さんご夫婦は二人の娘さんと二人の息子さんをもち、はじめ塾寄宿生の学生さん数十人と共に、小田原をベースに暮らしています。 『はじめ塾』は、均一化された教育ではなく、一人一人の特徴に応じて生き方そのものを仲間と体得してゆくような学びの場です。生活を通して生きていくための必要な力をそれぞれの子が身につけていく教育活動の場として、神奈川県を中心に、日本の教育界に長きにわたって影響を与え続

          生活のなかで実感する体験の学び はじめ塾 和田正宏&麻美さん夫妻 (前半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第13回

          クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第12回:川久保ジョイさん(後半)

          〜包摂する世界と子どもの成長〜 親が子どもひとりひとりの独自の可能性を信じて、広げてあげることがクリエイティブな子育てのベースです。既存の枠に生きてゆく方向性を縛られない、ということを深く考えていくと、そもそもわたしたちが日常で接する『普通』と呼ばれるものや、社会自体の形が一体誰によってどのように作り上げられてきたのか、という疑問に行き着きます。親世代が当たり前として受け入れているような社会状況も、20年も経ち子どもが育ち社会に出る頃には、テクノロジーの進歩に引っ張られるよ

          クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第12回:川久保ジョイさん(後半)

          ハーバードが提唱するマルチプル・インテリジェンス理論とアート思考

          得意な思考方法から始め、複数の学び方が活用できるように日本の学校での教育は、音楽や図工・美術の時間が削減され、国語や数学など言語能力や論理的数学思考を中心に行われてきました。人間の才能は、IQテストで測れる思考力だけでなく、多様な知能によって成り立っています。私の携わっている教育研究機関でも、クリエイティブ力を鍵として、多様な能力を育む過程でまず重要になる「マルチプル・パースペクティブ(多様な視座・視点)」を獲得することを目指した実践を様々なワークショップで行なっています。多

          ハーバードが提唱するマルチプル・インテリジェンス理論とアート思考

          妻と子どもと熟議して決めていく共同体としての家族。アーティストである思考や生き方は子育てや人生の選択に反映されている〜 アーティストの川久保ジョイさん(前半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第11回

          金融トレーダーから写真家そして現代アーティストとなった川久保ジョイさんはロンドンで奥様と二人の息子さんと暮らされています。ジョイさんは、日本人の両親のもとスペインのトレドで生まれ18歳まで生活され、大学進学をきっかけに日本に移られ18年間暮らしました。その間結婚し二人のお子さんも設けられています。その後ロンドンに住まいを移されて5年が経っています。職業も生活もダイナミックに動かれているジョイさんは、熟議して決めていく共同体としての家族を大切に築かれているように感じます。 「

          妻と子どもと熟議して決めていく共同体としての家族。アーティストである思考や生き方は子育てや人生の選択に反映されている〜 アーティストの川久保ジョイさん(前半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第11回

          生まれ持っているクリエイティブなタネを見守り育てよう

          子どもは様々なポテンシャルを持って生まれてきます。生まれながらこの世界をどのように発見していくか、成長の様々な段階で様々なことを試みていきます。親が忘れてしまったような、あるいは閉じてしまった感覚のタネを持って、世界に挑みます。 この成長の過程で何を試みているかを親が理解していることで、子どもの成長の大事な試みの機会を奪ってしまわないことができます。例えばものを投げたり、叩いたり、落としたりする時期もあります。そのことによって子どもは様々な感触や距離感を測っていたりします。

          生まれ持っているクリエイティブなタネを見守り育てよう

          「社会の枠にとらわれない内なる感性、天心爛漫さをゆっくり見守る」 山伏でアーティストの坂本大三郎さん(後半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第10回

          暮らしの一部としての自然体験は、心の風景の記憶となる宝 —コロナ禍が全国的に広がる中で、山形での娘さんとの暮らしにはどのような変化がありましたか? 「コロナ禍初期は、妻の妊娠初期と重なっており感染のリスクを考慮して、保育園には自主的に行かせないようにしていました。妻はしばらく安静にしていた方が良いとのことだったので、2ヶ月くらい、私が家事と娘の面倒を見ていました。娘とは散歩に行ったり、近所のお年寄りの家に行ったり、あとは身体を動かすのが好きなので、追いかけっこしたりして、

          「社会の枠にとらわれない内なる感性、天心爛漫さをゆっくり見守る」 山伏でアーティストの坂本大三郎さん(後半):クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第10回

          自己肯定の根を育てる 山伏でアーティストの坂本大三郎さん:クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第8回(前編)

          山伏でアーティストの坂本大三郎さんは、4歳の娘さんと奥様とお腹の中の二人目の赤ちゃんと一緒に山形で暮らされています。 「山伏でアーティスト」というと、すぐにはイメージできない方も多いかもしれませんので、まずは大三郎さんのことを簡単に紹介することから始めたいと思います。これから紹介するご家族との暮らしもこのことがベースとなっています。 大三郎さんは、東北の山間部に残る、自然の中で生きる技術や知恵を学ぶために山形に移住し、それと並行して様々な文献をあたり、一つ一つ古層を剥がす

          自己肯定の根を育てる 山伏でアーティストの坂本大三郎さん:クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第8回(前編)

          テーブルの裏のお絵かきと、山をただ歩くことで父が導いた私の芸術への道〜クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第8回 :パフォーマーで演出家の松島誠さん(後編)

          今週も世界的で活躍するパフォーマー・演出家の松島誠さんのインタビューです。 今回は松島さんのお父様との心打つエピソードをゆっくり読んでいただければと思います。親子の絆や体験が手渡されてゆくことが、ひとりひとりを大事にした心ある未来を作ってゆくことを深く気づかせてくれます。 「子どもが生まれてあらゆる感覚が変わりました。生まれたばかりの小さな柔らかな赤ちゃんの横に寝るときは、踏み潰してしまわないか、心配しました。そのように小さないのちを扱うことで、メンタルが変わるので顔が変

          テーブルの裏のお絵かきと、山をただ歩くことで父が導いた私の芸術への道〜クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第8回 :パフォーマーで演出家の松島誠さん(後編)

          ひらめきや本能的な反応を大事にして、表現や感性にリミットを設けない子育て パフォーマーで演出家の松島誠さん:第7回クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー

          パフォーマーで演出家の松島誠さんは、6歳になる娘さんと同じくパフォーマーの奥様と3人で、長年暮らされていた東京から移られて、現在は沼津で暮らされています。 松島さんは、世界で広く知られていたパパ・タラフマラのメイン・パフォーマー、美術家として23年間も活躍され、一方ソロ活動では演劇やダンスの枠にとらわれず、身体表現、ミュージカル、美術、演出と幅広いフィールドにおいて、世界を舞台にして活動されています。奥様もパパ・タラフマラのパフォーマーでした。 学生時代からそして結婚され

          ひらめきや本能的な反応を大事にして、表現や感性にリミットを設けない子育て パフォーマーで演出家の松島誠さん:第7回クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー

          国策として指導要領を離れ、自主性を尊重するフィンランドの教育

          近年、フィンランドがOECD(経済協力開発機構)が行う世界各国の教育レベルを測る PISA(Programme for International Student Assessment・学習到達度調査)の試験でトップとなり、世界に衝撃を与えました。その当時は、フィンランドのノキアが、携帯電話開発で世界をリードしていたこととも合わさって、フィンランドの先進的イメージが広がり、その独特な教育方針に注目が集まりました。教育のみならず、文化的にも大変興味深いところで、例えば、現代クラ

          国策として指導要領を離れ、自主性を尊重するフィンランドの教育

          多文化都市ケルンでひとつひとつ決断し感性を育む〜クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第6回:作曲家の渡辺裕紀子さん(後半)

          多文化なドイツのケルンの街で生活する渡辺さん家族にとっては、当たりまえなことが当たりまえでないことが前提であるがゆえに、「自分で決める」ことが感性にフタをせず深めることとして大切にしています。 自分で決めることて自らの感性にフタをしないー娘さんに対して特に大切にしていることは、どんなことですか? 「普段の生活でも、日本の習慣では、お茶碗を持って食べることが普通ですが、夫の韓国の習慣では、お茶碗を持たず置いて食べるのが普通で、当たり前なことが、一つとないのです。娘には、お茶

          多文化都市ケルンでひとつひとつ決断し感性を育む〜クリエイティブ・ペアレンツへのインタビュー第6回:作曲家の渡辺裕紀子さん(後半)