ルアンルッパ

ルアンルパとリビングルーム

ルアンルパのメンバー二人と

知り合って10年以上も経っていた。食事をしながら、今の私たちのプロジェクトについて、話しまくっていた。それは、メンバーのイスワントと49組のアーティストが参加してくれたBEYOND WONDERーPerspectives of Utopiaーの 次のステップについて。“信頼 trust”をベースにした“親密な小さな空間”“intimate space”で参加作品のアイデアをシェアしていく。アーティストのリビングやスタジオで、アーティストが見せたい作品を選び、それを共に見たい人を招いて、対話する。たった1作品でも、家族だけでも、1時間でも1日でも良い。自由にコンディションは決めてもらう。プライベートな場である“リビングルーム”を信頼に基づいて開いた時を設ける。今どのように“自立した自由な場”を作ることができるのか?を考え続けた私の一つの答えだった。私とレザとは、「based on trust/信頼を基に」とハモるように同時に口にした。こんなにすぐに理解してもらえるのは驚きであり、これはやっていけるという感触も掴めた。私が話し終わる頃には、みんな気持ちよく酔い、彼らの活動の話は、翌日の東京芸術大学のトークで聞くことにした。そこで共通点を聞くことになるのだが・・・

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「作品をつくることよりも、友だちをつくることの方が大切だ!」

「家を移るたびにまずリビングルームを作る」

「アーティストであると言うことは、反体制であることを言うのと同じ」

6人の友人と始めたルアンルパ

5人が集まって話すことも違法であった時代を、変革するときにともに活動した学生6人が、改革後普通に暮らす場所を借りる。そのお大きさは四畳半という小さなところから始まった。それから1〜2年毎に家を移っていった。移る先ですることは、まずリビングルームを作ること。そこに友人、隣人が集まり、お茶をし、食事をともにしながら様々なことを話、ともに活動する。これが彼らが今まで継続しているベースとなること。

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ホームベースの家を移るたびにまずリビングルームをつくってきた彼らの活動は、カッセルの街に二人が家族とともに移り住みドキュメンタで展開されていく。信頼をベースに生み出される親密な場が自然に開かれる場、リビングルームは、今、自立する自由な場として開かれていく一つの大切な在りようになっている。

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