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2021/11/20 カンタさんのチェロ
くもりがちの晴れ。
待ちに待った1年8か月ぶりのルドヴィート・カンタさんのチェロリサイタル。
うれしすぎて早く目が覚め、寝不足だけどハイなので眠くない。
朝から夕食のカレーを作って、洗濯物を干し、電車を乗り継ぎ石川県立音楽堂へGO!
少しずつ演奏活動を再開したのは聞こえていたが、単独公演はやっぱり久しぶりなのかな、詳しくは知らないけれど、プログラムにはそのようなことも書いてあった。
ピアノは沼沢淑音さん、以前にも共演され、ライブアルバムにもなっています。
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(上の画像差し替えました)
前半の曲目はショスタコービッチ、パーレニーチェクとあまりなじみがない曲だったが、心配無用。
きっぱりと悠々と歌うフォルテ、やさしく囁くピアニッシモ、ふくふく響くフラジオ、正確なステップのような一弓スタッカート、つぶつぶきれいなピチカート、と言葉を尽くしても音の前にはまったく無力で、ああ、そうだ、やっぱり生演奏だ、と思い知らされた。
後半の、カンタさんが「とりつかれるほど好き」とプログラムに書かれていたフランクのソナタは私も大好きで、なんて可愛く、色気のある演奏、とうっとりが止まらないのだった。
今回は加賀友禅特使就任記念とかで陣羽織姿が勇ましく、ありがとうありがとうと嬉しそうなカンタさんは、冒頭の就任記念の「浜辺の歌」と、なんと5曲もアンコールに応えてくれて、客席からも思わず「カンタさん、ありがとう!」の声が。
なんとも和気あいあいな雰囲気で終わったのだった。
それにしてもいつも思うのは、カンタさんは舞台でチューニングを滅多にしない。
激しいパッセージの連続する楽章のあとでも、軽く確かめることさえせず、涼しい顔をしてピアニストに合図を送る。
チェロでは4本の弦全部に付けている人が多いアジャスターが1本もついていない。
余程自分の耳と楽器を信用しているのだろうけど…
今回はミュート(弱音器)の出番が多かった。
よくある丸い豚の鼻みたいな形のではないことは見てわかったが、最前列かぶりつき席でも、どんな形かはよく見えなかった。
そして、ミュートを使った時の音、ハスキーでなんともいえず良い。
久しぶりの隣県までの遠出は人混みも電車も久しぶりで、疲れたけれど、それ以上に楽しかった。
今頃カンタさんも加賀友禅美人にもらったお酒でくつろいでいるのかな。
もうすぐ、今度は梯剛之さんとのデュオリサイタルが王子ホールでもあるそうで、行ける方はぜひ!
こちらは、日本中がステイホームの時のカンタさんの発信。
たくさんの人が癒されたことでしょう。
【追記】
アンコール
サン=サーンス:オペラ<サムソンとデリラ>より「カンタービレ」
グルック:メロディ
滝廉太郎:荒城の月
ドビュッシー:美しき夕暮れ
R.シュトラウス:チェロ・ソナタより第3楽章