別れと旅立ち
長かったサイレント期間が終わって、動き始めようとしています。
動かなかった現実の水面下では変容がおきていて、イモ虫からさなぎへ、さなぎから蝶へ移行するプロセスが進んでいました。
これまでの人生に別れを告げるときが来ました。
これまで勉強した本、好きだった映画、慰めをくれていた音楽、尊敬していた人さえも、いまの私にとっては刺激されるものでは無くなりました。
これまでの私の思想や人格、生き方、人生の枠組みを形成していたものの正体が孤独や不安だったので、孤独や不安が無くなったこれからは、これまでの人生のすべてはゼロになって行くのでしょう。
もはやあなたの居る場所は其処ではない、と言われているみたいな気がします。
これまでの人生に別れを告げて旅立つときが来ているようです。
自己探求に二十年を費やしてきました。
この期間は、これまで自分は何を得てきたか、何を持っているかを点検して、いままでの自分がどんな自分だったのか確認する作業でした。
自分に必要なもの、手放せないものが分かってきて、それを自分の鞄に詰めこんでいく。
詰めこんでいく荷物を見て、これまでの自分を振り返り、それを懐かしむ。
荷物のなかには、ここから先には持って行かないもの、終わって手放していくものがある。
荷物を選別することで、自分の物語に区切りをつけていく。
その作業の過程で、自分はもうかつての自分とは違っていることに気づいていました。
鞄に荷物を詰め終わったとき、もうかつての自分とは違う新しい自分になっているでしょう。
そのとき出発の準備が整うのでしょう。