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カナダの学校に学ぶ、「子どもの自主性を尊重する」ということ

秋になると、クロスカントリー(持久走)が行われるのですが、
参加したいかどうかは子どもが自由に決められます。

学校は、参加したいと言って集合時間に集まった生徒だけに、
参加の申し込み用紙を配布し、
親のサインをもらってくるように、と指示するのです。

これは完全に、そしてシンプルに、
子どもの自主性、やりたい気持ちを尊重し、信頼している方法だと思いました。
全員に申し込み用紙を配ると、
子どもに参加させたい親の判断が、参加の意思に加わってしまうからです。

また、参加したいと思っていても、
集合時間に集まらなくて申し込み用紙がもらえなかったり、
申し込み用紙をもらったけれど、期日までに提出しなかったり、
参加するための条件を満たすための行動を取れなかった子どもは、参加できないことになります。

子どもは、やりたいことに参加するために、
自ら責任をもって行動していかなければならないことも学びます。

去年は長男と三男が参加し、
来年も出る、と去年は申しておりましたのに、
ふたを開けてみれば今年は次男がだけが申し込み用紙をもらってきました。

私は長男と三男にも参加してほしかったのですが、
今年はやりたくなーい、とのこと。
特に好成績を修めた長男には、参加しないのはもったいない、という気持ちがふくらんでしまうのは、私の大人のエゴなのでしょう、
長男は、そんなこと全然気にしていない様子です。
申し込み用紙をもらって来ないので、私は子どもの気持ちを尊重せざるを得ないことになりました。

子どもの自主性を尊重すると、
生徒一人ひとり全員に、チャンスがめぐってくることにもつながります。

長男に、今年は誰がクロスカントリーに参加するのか尋ねたところ、
去年参加しなかった子どもばかり。

学校から、地域の大会に選ばれるのは学年で10人だけらしいので、
もし、長男や、ほかの足が速い子が、今年も参加していたら、
あまり足が速くない生徒には、大会に出られるチャンスが回ってきません。

「全員参加」のほうが、チャンスを全員に平等に与えているように見えますが、
そうすると、「足が速い子」「そうでもない子」が固定化してしまい、
毎年同じ子どもが入賞する、という現象が起こってしまいがちです。
輝くチャンスは、平等には回ってきません。

子どもの「やりたい」を尊重すれば、
足が速いけれどやる気がない子どもより、
そこまで速くないけれどやる気がある子どもが活躍できるのです。

今年参加することにした次男はまさに、そこまで走るのが速くないけれど、やる気には満ちあふれています。
楽しく走った思い出が、彼の自信と、自主的に動くことの喜びに、つながるといいなと思っています。


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