熟女最強説
ながーく、くらーい冬を越え、
ようやく暖かな晴れの日続きのドイツ。
猫も杓子も太陽浴びてご機嫌な初夏。
ひさしぶりに太陽光の下で鏡を覗いたら、
そこには、しわっしわのおばはんの顔。
太陽はすべての真実をさらけだしますね。
我が家の薄暗い照明は、ムード作りだけでなく、様々な粗を隠す役割も果たしていたので、春の到来とともに真実との対面を果たした形。
でも、このおばはん。
ニヤニヤなんだか楽し気なんですよ。
しかも懲りもせず、既にお顔は小麦色。
太陽とまだまだずいぶん仲良さげ。
刻まれた皺は年輪、とか
シミそばかすは太陽の置き土産、とか
老化は進化、とか
それっぽいこという気はさらさらないですが、
人生その時その時、
全力で遊んで、太陽と戯れた顔。
少し下がった目尻も幸せそうだし、
ちゃんと年を重ねてきた自負もあるし、
なかなか悪くないと思うのですよ。
味わい深さ出てきたぞ。
いや、もちろん若く見えるというの勲章です。
若見えのために努力するのもすばらしい。
そしてそのままの自分を肯定するのも素敵です。
わたしは幼稚園児の頃から常に時代を先取る老け顔だった上に、実際内容も老成したクソガキ時代を過ごし、
ハタチそこらでNYで酒を買うのに、身分証明書を求められなかった伝説のアジア人。
若さもいいけど、成熟することにもっと魅力を感じていたから、急いでおとなになりたがっていた節もあり。だから実は、40代に入ってからの自分が居心地よくて好きだったりします。
もちろん若さならではのキラキラは格別。
水を弾く肌や、ツンとしたおっぱい、さらさらの髪に、シミシワのない顔は、「若さ」という短いブランド期間だからこそ、その新鮮さや瑞々しさが輝く希少価値。市場でも高値がつくでしょう。そらそうでしょう。
最近旬の苺を食べながら思うんです。
苺も女も、熟したやつって、形はぶちゃってなりがちだけど、味は最高じゃないですか。
形が多少崩れるからこそ、出せる甘さもあり。
だがな、それは酸いも甘いも噛み分けてきた熟練の熟女(苺)だから繰り出せる甘味なのだよ。
若さという短いブランドを経たら終わりというわけでもなく。女は死ぬまで女なんやで。
ついでに、年老いた雌鳥からは極上なスープが取れるらしいですよ。味わい深いお話です。とんこつはどうか知らんけど。
さあ、熟女たちよ。
ますます人生を楽しもうではないか。
もっと自分に甘くいこうではないか。
人生なめたらそこそこ甘い。
ビターな意地悪ばあさんになるより、
スイートで笑顔のかわいいばあさんになりたいもんですね。
苺うまい!
と頬張りながら、今日も元気に近所の湖でこんがり日焼け。太陽最高。熟女最高。