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リタイア人の徘徊日記(173)|長崎|五島で潜伏キリシタンの関連遺産を見るツアーに参加しました

2024年3月。五島の福江島に滞在中に五島市観光協会主催のツアーに参加しました。
小説「沈黙」に感化されたワタクシ。昨年行った長崎でキリシタン弾圧の記念館にえらく心打たれて以来、五島列島の教会群を訪れることを願っていました。

五島滞在2日目は福江島からさらに別の島々にある潜伏キリシタン史跡を訪れることに。

朝食後、ホテルから集合場所の港まで歩いていきます。福江港は大きく、ターミナルビルも立派な造りです。

受付を済ませて間もなく、久賀島在住35年というベテランガイドさんがやってきました。

出発前に五島列島の位置関係を説明してくれます。今回行くのは久賀島と奈留島。
まずは船で久賀島へ向かいます。あいにくの雨模様。
船の中は綺麗です。島の人達の生活交通手段なのに観光船のよう。
出航するとすぐ海上保安庁の巡視船が。五島は南シナ海に面した緊張感漂う立地なのでした。

久賀島に上陸後、最初に訪れたのは牢屋の窄殉教記念聖堂。キリシタン弾圧時代に200人の信者が20㎡の牢屋に8か月間閉じ込められ、84人が命を落とすという悲劇の場所に建てられた記念堂です。

記念堂の内部には入場できませんが、入り口から中を見ることはできます。

内部には、牢屋の広さを示す赤い絨毯がありました。狭い中で立ったまま8か月も閉じ込められたとはなんたること。。。それでも改宗しなかった信者の方々。不信人な自分には理解できません。

裏手にある亡くなった人たちの墓碑。
年齢をみると小さな子供もいて痛ましさがさらに強まります。
島のアーティスト作小石に描かれた椿。ケースの中には椿油。油は髪に使うとさらっとしていい感じ。もっと買ってくればよかったな。
深い山道を抜けて車を降り、徒歩で五輪教会へ向かいます。
鄙びた漁村に教会が見えてきました。
久賀島は島全体が世界遺産。
五輪教会。こちらは新しく再建されたもの
そして、隣にあるこちらがツアーのハイライトのひとつ、旧五輪教会。

旧五輪教会は内部見学可能で、撮影もできるという貴重な存在です。

いやぁ、素晴らしい。よくぞ残してくれました。
五輪教会がある地区は車で行くことはできない。途中まで行って山の上から麓に歩くか、海上から船でのアクセスに限られています。
このような場所で密かに信仰を続けてきた信徒の方々には敬意を表したい。

教会の見学には予約が必要。ツアーには含まれていますのでありがたいです。

久賀島五輪地区からは海上タクシーで次の奈留島へ向かいます。

約15分で奈留島の港に到着。この島は人口が多いので船の発着も頻繁にあり、ターミナルも立派です。

奈留島のフェリーターミナルは賑わっていました。

港からバスに乗り換え、一番見たかった江上天主堂へ向かいます。

「教会建築の父」と言われる鉄川与助氏の傑作。
内部は撮影禁止でこちらも入場予約が必要です。スバラシ。感動しました。

観光後のランチ

再び海上タクシーに乗り込みます

ランチ後、若松島へ向かいます。

この航路、潮流の影響でいつも波が荒い。この日は天気が悪くてさらに船の揺れが激しい。まるでジェットコースター状態。船内阿鼻叫喚。
ガイドさんの「この程度はよくある」という言葉に励まされて椅子にしがみつく。

何故にこんな航路を通るかというと、キリシタン洞窟を見学するため。
激しい船の揺れにもめげず、一か所だけ開け放した扉から何とか撮影。

キリスト像がある付近が潜伏キリシタンが隠れて礼拝を行っていた洞窟の入り口。
陸路からは辿り着けず、荒れ狂う海は船での着岸も命がけ。
彼らの厳しかった状況を身をもって感じました。

洞窟を過ぎるとウソのような凪状態。
若松港に到着しました

ツアーはここで終了。参加者はここからそれぞれ別行動となります。
更に北上して別の島へ行く人、若松島に滞在する人、いろいろです。
私は翌日帰京のため福江に戻りました。

戻りは大型のフェリー、オーシャン号にて

船の手配も教会の入場予約もやってもらえるツアーは時間に余裕のない私にとってはとても利用価値が高かった。
ガイドさんの説明にも感銘を受けました。
(2024年撮影)

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