音楽と精神医学(1): ASMRは本当に効くのか?|科学的エビデンスによる検証(前編)〜海外論文の紹介〜
【ASMRは本当に効くのか?】
以前、【集中力アップ!私がハマっているASMRとは?】という記事で、ASMRについて簡単に紹介しました。
しかし、「ASMRって本当に効果があるの?」と疑問にもつ方がいらっしゃると思います。
たしかに、過去の研究の多くは、ASMRの効果(集中力アップやリラクゼーション効果)を、アンケートや心理テストで評価しているため、本当に効いているのか客観的には分かりませんでした。
要は“プラセボ効果”の可能性が否定できていなかったのです。
そこで、今回の記事では、ASMRの効果について生理学および画像研究により検証した論文について、前編・後編に分けて紹介します。
【ASMRの研究1:心拍数と発汗】
これは2018年に英国からの論文で、ASMRが心拍数と発汗にどのように影響をあたえるかを調べています。この論文では、主に2つの実験を行っています。
実験1
<目的>
ASMRと感情的反応の関連を調べる。
<対象>
ソーシャルメディアでリクルートした2073名を対象に研究をはじめ、最終的に813名がASMRを経験したことがあると回答しました。そして、ASMRを経験した人たちをASMR、経験していない人たちをnon-ASMRとした。
<方法>
1.ASMRの動画(ASMR: 音 または 声)とASMRでない動画(control)を被験者に見せ、対照(control) vs ASMR(音) vs ASMR(声)のグループに分けて、以下について比較した。
2.Tingle frequency: ”ぞくぞく感”を感じたか否かを尋ねた。1(まったくない)から7(いつも感じた)まで7段階でスコアリングした。
3.Affect: Multi-affect Indicatorという方法を用い、12項目の感情を調べた。
<結果>
ASMR経験者たちは、未経験者に比べると、”ぞくぞく感”の頻度が増え、また“興奮”、“静かな気持ち”が増え、ストレス感と悲しみが減った。
実験2
<目的>
ASMRと生理学的反応の関連を調べる。
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