詩人の死
谷川俊太郎さんがお亡くなりになりましたね。今は極楽または天国への途上におられることでしょうか。谷川さんなら、地獄も行ってみたいなどと仰りそうですが。
あの方の代表作を一つに決めるのはとても難しいですね。どの作品にも、魂を込めていらしたから。どの作品も、あの方の自由で、空想力に溢れ、希望を失わず、物事の核を瞬時に見出す眼と、それを誰にでもわかる言葉で優しく語る言葉に満ちていました。
あの方の作品を朗読することはとても難しいです。一度やってみようとしたのです。けれど、どうやっても、あの方の心に届けなくて、自分がいかに俗人であるかを思い知らされるばかりでした。私にもその時が近くなれば、読めるようになるでしょうか。
どうか、あまり高いところへ行ってしまわず、愚行を繰り返す私たちを笑顔で見守っていてくださいませ。ご冥福を心よりお祈りしております。