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仕事術3~目標達成能力~

皆さん、こんにちは。
土井啓史です。

大学を卒業後、NECで営業を7年間経験し独立起業をしました。複数の事業を起こし運営をする傍ら、スタートアップの経営企画にも多く携わって来ました。

現在は、正社員およびフリーランスの転職エージェントとITスクールの運営を手がける株式会社Career Art(キャリア・アート)の代表を務めています。多くの方と一緒に仕事をし、優秀な方々から学ばせていただける日々を過ごしています。

最近では、「Z世代」と呼ばれる層の方と一緒に仕事をする機会が多くなってきました。

彼らと仕事をしていると、とても優秀だなと感じるとともに、彼らの仕事術は、会社員の時の上司やビジネスの先輩に教え込まれたことと、どこか通ずるものがあります。やはり時代を超えて共通する「原理原則」と呼ばれるものがあるのだなと感じます。

そこで、Z世代の方々と仕事をするなかで感じた、仕事で成果を創り上げていくためのエッセンスだと感じることを、「Z世代の仕事術」と題して、いくつかご紹介していきます。

第3回目の今回は「目標達成能力」についてです。

「言ったことをやる人」と「やったことを言う人」

突然ですが、あなたは「言ったことをやる人」か、「やったことを言う人」かどちらに当てはまるでしょうか?

あるいは、「有言実行する人」か「やったことを報告する(語る)人」と言い換えることもできます。

どちらかが正しい間違っている、よい悪いという話をしたいわけではありません。

能力として考えるなら、どちらも人として大事なものです。前者は周りに宣言(約束)したことをきちんと成し遂げる人です。一方後者は、コミュニケーションにおいて必要不可欠な報連相ができる人と解釈できます。

能力としてはどちらも必要なものですが、「物事の考え方」という観点では、かなり大きな違いが生まれます。

前者は、「目標を決め、逆算で考えてそれを達成する考え方(逆算思考)」で、後者は、「コツコツと頑張った積み重ねを結果だととらえる考え方(積み上げ思考)」です。

つまり、前者の場合は、どこに向かっていくかが明確で、その人が何をどこまで達成するかが事前にわかります。しかし後者の場合は、頑張っていることはわかるので、よくなっていくだろうという予感はできるものの、それが一体どこに向かっているのか、どこまでの結果を出せるのかが不明確です。

どちらの考え方にもメリット・デメリットがあるのだろうとは思いますが、僕の周りの、経営者として成功されている方は、前者の「逆算思考」の方が多いです。

僕がこれまでさまざまな事業を経験してきたなかでも、「逆算思考」でいるときの方が、圧倒的にうまくいっていました。

ではなぜ、「積み上げ思考」よりも「逆算思考」の方がうまくいきやすいのか、例を挙げて考えてみます。

2人の野球少年、どちらがプロになれる?


とある2人の野球少年がいます。どちらもプロになるために毎日野球に励んでいます。しかし、その2人には、大きな考え方の違いがあります。

1人の少年は、プロになれたら良いなと思い、毎日ひたむきに野球に取り組んでいます。野球部のある学校に入り、言われた練習メニューをこなし、着々と実力をつけています。

もう1人の少年は、絶対にプロになると決めて野球に取り組んでいます。彼はプロになることを決めているので、学校選びは、プロを輩出している学校を選びます。そして練習もプロになるという前提で取り組んでいます。言われたメニュー以外にもプロになるために練習を自主的に行い、実力をつけています。

さあ、この2人どちらがプロになる確率が高いでしょうか。

おそらく多くの人が後者だと答えるのではないでしょうか。では、この2人は何が違うのか。これが先ほどの「逆算思考」と「積み上げ思考」です。

前者はひたむきに練習して実力をつければ、ひょっとしたらプロになれるかもしれないと信じて努力をしています。

しかし、「こうすればプロになれる」という目標ややるべきことが定まっていないので、そのままの努力を続けていてもプロになれるかどうか定かではありません。

一報の後者は、「絶対にプロになる!」という信念のもと、「これなら間違いなくプロになれる」と確信している練習を継続します。練習への取り組み方は、「うまくなりたい」「プロになれるかもしれない」という思いではなく、「何が何でもプロになる」「プロになった人たちがやってきたのと同じ水準の努力をする」という思いで、それに足る練習や行動を自ら選択していきます。

さて、どちらがプロになれる可能性が高いのか?間違いなく答えは後者でしょう。

プロになると決めて練習すると、そこに向かって一点集中することができ、自分がやるべきことが明確になり、きちんと計画を立てることができるのです。そうすればあとはそれを1つずつ着実にクリアしていくだけです。

もちろんスポーツという世界は、特殊な世界なので、それで100%プロになれるというわけではありませんが、一般的な仕事においては、これが成功の鍵といっても過言ではないと僕自身実感しています。

結果を先に決める大切さ

さて、上記の例を通じて、「(成し遂げたい)結果を先に決める」ことの大切さを何となくは感じていただけたのではないでしょうか。

しかし、これは何も特別なことではなく、普通に仕事をしている社会人の方であれば、日常生活で何気なく実践されていることです。

たとえば、あなたがこれから飲食店を経営するとします。

お店を構え、水道光熱費もかかるので、莫大なコストがかかります。それを上回るだけの売り上げを上げなければ、赤字を垂れ流すことになり、倒産やむなし、という状態になります。

そこであなたは、きちんと利益を上げ、お店の経営を維持し、ご自身の生活も成り立たせていくには、どれだけ売り上げる必要があり、そのために必要な客数はどれくらいで、そのための回転率はどれくらいで……。と、どんどん達成するべき数字が明確になってきます。

無意識かもしれませんが、これは立派な「逆算思考」です。

決して、とにかくできるだけたくさん売り上げて、売れた分だけ家賃を払おう、ということはできないはずです。あるいは、経営までいかなくても、会社の中で働いていても同じことは行われています。

分かりやすいのが営業です。

各会社の営業部には「売上目標」があり、それを達成するために必要な商談数、広告宣伝費などを設定するはずです。決して、「できるだけたくさんアポイントをとって、達成できた売上を会社に報告しよう」という動き方にはならないはずです。

これもやはり「逆算思考」であり、会社を経営する、あるいは会社員として働く以上、誰しもが必ず実践しているものです。

しかし、これが自分の人生など、より大きなスケールの話しになった瞬間、そもそも「目的」が不明確なので、「目標」も不明確になり、いつの間にか、「とりあえず頑張ろう」という発想になってしまっている人が多いように感じています。

ぜひ、人生レベルでの目的を明確にし、そこに至るための道筋を描いたうえで、達成に向けて邁進する、そんな人生を一人でも多くの方と歩んでいきたいと思っています。


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