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ロコスキー場考

秋田は「ロコスキー場王国」

地元の人しか知らないようなローカルなスキー場を「ロコスキー場」と言うらしい。
スキー場のガイドブックなどでも紹介されることが少ないコアな存在だが、これを専門に巡ってブログに綴る人もいる。
雪国では、スキーを学校教育に取り入れるところが多い。
そうした需要のため維持されてきたロコスキー場だが、昨今は児童数の減少や運営側の担い手不足により、存続断念を余儀なくされるケースもよくある。
しかし秋田は、国内有数のロコスキー場残存地帯。
「ロコスキー場王国」とでも呼べようか。
空いてる、安い、コンパクトと三拍子そろったロコスキー場は、子どもの雪遊びにはうってつけである。私も子どもを連れてよく使っている。

昭和にタイムスリップ

雪国に暮らす人々の様子を描いた「ゆきのひ」(かこさとし、昭和41年初版)という名作絵本がある。
その中で、スキー場の様子もつぶさに描かれているが、そこにリゾートの華やかさやファッション性はまるでない。
あるのは、雪とともに暮らす地域住民の「日常」である。
現存しているロコスキー場の風景は、この絵本に描かれたものと大して変わらない。
まるで昭和のまま時が止まったような質実剛健なたたずまいである。
かつて吹き荒れた「レジャー」「リゾート」の旋風はどこ吹く風。
スキーブームが沈静化した今の今まで、ぶれない姿に敬意を表したい。

郷愁あふれるロコスキー場

地味で目立たないロコスキー場は、雪と共生する地域の歴史や文化の宝庫だと思う。
長らく時代遅れの存在だったかもしれないが、リゾートももはや大衆化して、時代が一周した感もある。
「田舎」や「秋田」という言葉から連想されるイメージに、郷愁を誘うロコスキー場の姿はぴったりだと思う。
都会の悪い風習に染まらず、細々と固有の道をあゆむ秋田のロコスキー場は、埋もれた宝かもしれない。


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