伝統で紡がれたものが、やっぱり輝いて見える
現在勤務している園では、週末に年長児が保護者に来てもらい、約半年をかけて取り組んできた活動を披露することになっています。
今週はそのリハーサルが随時行われていて、年長児さんの頑張りを子どもたちと一緒に応援しています。
披露するのはこれまで伝統として受け継がれてきた舞踊です。
行事が見直されたけれど
舞踊を披露するきっかけは、子どもたちが去年の年長児さんを見て感銘を受けたから。そこには保育者の思惑も少なからずあったかもしれませんが、“子どもからの提案“であることが大切です。
以前だったら、保育者が主導だったケースがほとんどだったはずです。そこに主体性という言葉が登場し、保育者主導から子ども主導に移り変わってきています。
その観点も踏まえて行事を見直した園は多いと思います。
「なんのためにやっているのか?」が問われたはずです。
伝統ってすごいよな
これまでやってきたことを、行事の見直しでスパっと無くしたところも多いと聞きます。それはそれで正解と言えるでしょう。その分、子どもたちがじっくりと遊び込める時間が増えたと思うので。
でも、今日の年長さんの勇姿を見ていると、「あーやっぱり伝統ってすごいよな」と思わざるを得ませんでした。
その勇姿は保育者には成長として映り、在園児には憧れとして映る。保護者にはどのように映るのかは明らかです。
ハレとケ
きっと本番に向けて子どもも保育者も緊張やしんどさがあると思います。ハレとケの考え方で言えば今はケの積み重ねの時期。
そして迎えるハレの日。きっと思い出に残る日になるでしょう。
子ども主体の保育を推進してきている昨今で、行事があるからこそ日常にメリハリを、彩りを添える保育が輝いて見えるのです。
行事に追われるのはこのご時世では合わない。だから、ただあれもこれもと増やすのは良くない。
私としては年に1度、この日のために全力を注ごうという日があってもいいと考えます。
そこにエンターテイメントや感動を持ち込めれば…。
そして、それが伝統として紡がれていけば、それはその園の強みになり得るのではないかと改めて感じるのです。