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よしなに

・電波、というものは
確実に目の前を飛んでいるのに
我々人間の目では見えないので
世の中当たり前に使っていて
認知しているのに
見えていないものだらけだなと
電車の中でスマホを触っている群衆を
見ながら怖くなっていたら
向かいの窓の外に山が見えた

触れない
空気も感じれない
多分その視界の範囲内の
とんでもない数の命が生きていて
確かにそこに存在していてる
遠くの山々は確かに見えるのに
今の自分にも
自分の持ち物にも影響していない。

視覚情報としては
微々たる影響はあるのだろうけど
隣に座るおばさんや
スマホ程の影響は無いのでしょう。

・青森に行った
1人で。

有難いことに乗りなれている
飛行機で行こうとしたけど
最終的に経由地の東京で
いろんな人に再会する予定が追加されていき
「時間の配分考えたら夜行バスが最強では。
寝ているだけで着く。
どうせ寝る。
飛行機だと日中の時間が奪われる。
多分夜行バスが最も時間の無駄が少ない
そして安い。予約を早くしてないので」
と考え
最終的に夜行バスで行く事にした。

人生初の夜行バス。
正直楽だし快適で
色んな手続きも準備も
飛行機より圧倒的に楽で
味をしめてしまったかもしれない。

俺は夜行バスがあれば
気軽にどこでも行けてしまう
明日にでも全てを捨てて
ふらっと静かな場所に行けてしまう
感情的倫理的には抗い
実際はせずとも
物理的には可能だという目の前の事実

急速に全てに対しての
執着と所持感が消え失せていくような
だからこそ在ることの有難みと幸せと
在って欲しいと願う欲求と
無くても結局自分は
物理的に生きているなら
これからも生きていくのだろう
という漠然とした
灰色になる前の白と黒の
混ぜかけの絵の具みたいな感情があって
文明の利器は恐ろしいと思った。
夜行バス、恐るべし。

だからこそ
自分にとって必要な事や
大切な人と
貴重な1秒を
日々過去にしたいのでしょうか。

・青森のご飯は全体的に
独特な味がしていた
とても美味しい。

・歩いていたり
誰かと話をすると
「何処から来たんですか?」
とかなりの回数聞かれた。

ミスドの店員
大正ロマン喫茶のお姉様
居酒屋の大将
ラーメン屋のご婦人
遠足(?)に来ていた見知らぬ高校生達
公園に居た多分ベトナムの方
温泉施設のお兄さんとお姉さん
喫茶店を教えてくれた大学生
その他諸々

恐らく
青森の方々は方言と訛りが強すぎて
逆に浮くのだと思った。

魔女狩りのようだなと
とても面白かった。

・空気が涼しい
心做しか寒い
上着なんていらないでしょ
と舐めていた自分に張り手したい
上着があって良かった。

・勉強になった。
矮小さを再確認。
世界観だけで勝負したようなもので
楽曲に僕自身が追いついていなかった
ただそれだけだったと思う。
技術が足りない
基礎が足りない
経験が足りない
感情が足りない
分かっている足りないはそれくらいで
多分まだ気付いていない
「足りない」があると思う。
それはまた日々考える。
それとなにより「要らない」も。
不要なものは引き算しなければ。
引き算のトレーニングの年。

1番の再確認は
自分は大きな看板のお陰で
周りの方々のお陰様で
本当に今の評価が有るだけで
自分独り、個人でのみとなると
到底何者にも足元に及ばない事を
情報として、言葉として想像と
理解はしていたけど
事実として突き付けられたので
やっとしっくり来た。
謙虚さが足らんのだ。
昔はそれだけで生きていたような
多方面からそう評価されていたような
そんな人間なのに。
俺から謙虚さを抜いたら
その他全ての評価価値が反転するぞ
と。

・しかし他人の評価
を気にしている自分も疎ましい。
作品に関しては
作者のバックボーンは不要で
作品のみを純粋に味わって欲しい
という考えも根底にありつつも
演者が自分なので
楽曲に対して自分の不安が溶け込んでしまい
創作は楽しいと思うけど
未だ自身を客観的に
一作品として提供しえない。
感情を外に出せ、という気持ち。
己の個人感情や情緒が出る。
要らんのだ。今のところ。
正解はどうかはまだ知らない。
もしかしたら居るかも知れない。

知らない事ばかりだ!!!!アァ!!!!

去年は宝物庫とか美術品とか
古典とか本や作品は見たので
今年は舞台とか演劇とか
落語を沢山観よう。

その点、19歳、20歳の時の創作は
妹の存在にほぼ救われていたと再確認。

だってあいつ、俺の理想の作品を
言われるがままに表現するので。

細かいリクエストやこちらの要求に
難なく答えるが
「うち作曲とか無理無理
作って指示して
演るから」
みたいな事を言う妹だった。


『創造で絵が描けるんだから
音楽も同じように作れば?』
「じゃありゅうちゃん絵を描いてよ」
『あ、無理だわ。なるほど』

あいつ、ひょっとして天才では……?
あまり言うとシスコン認定されそうなので
ここら辺で割愛。

・福岡に戻って最初に感じたこと
暑い

・途中のサービスエリアで
静岡に降り立った。
潮風に近いぬるい夜風が
頬を撫でて
直後強風オールバック。

それを見て指差し笑う過去の人の幻灯を
夜の中に脳が映したわけですが
近いのも有るので、仕方がないと思った。

鼻腔の中はお茶の匂いで
飲んでもない緑茶を
口に含んだ気分で面白かったし
静岡で1泊するかぁ?と
脳内の自分が語りかけてきたので
無意識の言葉は恐ろしい。
外灯に照らされて動かない
昔貰った上野焼きのおちょこの様な
薄青緑の綺麗な蛾の羽を眺めつつ
最終的に倫理と理性が勝った。
そんなことしたら
本当に帰らなくなりそうだった。
お茶が好きなので。

・流石静岡
サービスエリアでさえ
風にお茶の匂いがする
いやマジで、信じてこれ。




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