風俗店員物語vol3
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https://note.com/kawayanmath/n/n27058237c7fc
ドリンクの鬼👹
ドリンクを営業終わりまで作れという命令を受けた俺は作り方を示した表を見ながらドリンクを作り続けた。
初めに提供した舐めたドリンクは出していない。一杯一杯本気で向かい合ってドリンクを提供した。ちなみにここは風俗店である。俺はバーテンになろうとしているわけではない。
松井 「いいねぇー。なかなかいいドリンク出来てるよ。」
俺「ありがとうございます。」
松井が仕事をしているかチェックしに来た。というより自分の飲みたいレモネードを飲みに来たというほうが正しいのかもしれない。
松井「お客様が初めに口にするのは女の子とのキスでもなくこのドリンクなんだよ。だからこそきちんと心をこめて作る必要があるんだ。」
一見素晴らしい意見を言っているように思えるが松井は客が時間のかかるドリンクを頼むと阿修羅のような顔で調理場に伝えに来る。
松井を怒らせ続ければ恐らく平等院鳳凰堂に飾ることも可能だろう。
俺は営業終了時刻までドリンクを作り続けた。そこへ田中がやってくる。
田中「よぉ。仕事慣れたか?清掃すんぞ。」
俺「ドリンク作成のプロになりました。了解です。」
田中「ドリンク全部作れるようになったの?すごいねぇ。俺、未だに烏龍茶しか作れないよ笑」
俺「そんなわけないでしょ笑」
この時はギャグだと思っていたが、後に田中は本当に烏龍茶以外は作れないことが判明する。
終わっている。
烏龍茶は唯一ペットボトルからコップに移すだけのドリンクである。賢いチンパンジーなら出来ることだろう。
ついに清掃へ
そして各部屋の清掃が始まった。
簡単に部屋の説明をするとベットとシャワールーム、そして備品棚がある。
清掃は
①シャワールーム②べット③備品棚
の順番で清掃していく。そしてそれぞれにあり得ないほど細かい決まりがある。
田中「タオルで全部拭き上げてー。髪の毛とゴミが1つあるごとに給料100円ずつ減るよ。先月は俺は38400円引かれた笑ちなみに完璧に出来ていたら500円もらえるよ。」
俺「完璧に出来てる人はいるんですか?」
田中「いるよー。菊池はほとんど完璧だね。先月だけでも結構稼いでるんじゃない?俺もきちんと出来てるはずなんだけどなぁ。」
絶対に出来ていない。俺は確信を持っていた。理由は田中には悪癖があり、緊張するか暇になると股間をボリボリ掻いているのだ。陰毛が散乱しているために減給となっているに違いない。
俺「そうですかぁ。僕も頑張らないといけませんね。」
そうして清掃がスタートした。
シャワールームは簡単
まずシャワールームの清掃だ。女の子がプレイで使ったタオルでシャワールームを拭き上げ、同時にうがい薬、ボディソープが足りているかを確認する。
ここで重要なのは陰毛が落ちていないかである。前述した通り給料から一本ごとに100円引かれてはたまったものではない。
シーツの鬼👹
ベットの清掃が始まる。
ベットはシーツを変え、枕にタオルを巻くのが主な清掃だった。
そしてあり得ないほどシーツをピンピンに張らないといけない。
田中「お前さぁ!!このシーツの張りでいいと思ってんの?!バカなの?張り直しね。」
シーツを張ったことがない人間からすると張り具合など分からない。しかしそんなことは一切考慮されない。俺に人権などないのだ。
俺は田中にシーツを4回貼り直させられた。2回目以降は恐らく嫌がらせだろう。
これが新人いびりかぁ。この業界で人手不足になるのも納得だな。
ここにもゴミが落ちていたら減給対象である。気を付けなくてはならない。ちなみに俺は田中が清掃の見本を見せたシーツに鼻くそを3つつけておいた。ざまぁみやがれ。
備品棚
そして最終確認の備品棚へ。
ここはありとあらゆる女の子がプレイ中に使うものが入っている。アイマスク、生理用品、ペンライト、ウェットトラスト、ローター、電マなどなど様々なものが入っており、俺には用途の分からないものも多々あった。
そしてどこに何をどれくらい収納するか例のごとく決まっている。間違っていたら当然、減給される。
備品に関しては比較的問題なく清掃を終えた。
この店には12部屋あり、この日は俺が3部屋、田中が4部屋、菊池が5部屋 清掃を行った。
最後に店長の松井がチェックして回り、清掃の出来を発表し勤務は終了する。
松井「えー皆様お疲れ様でした。本日の清掃の出来を発表します。
田中マイナス17
菊池プラス15
俺プラス10
です。俺君よく清掃出来たよー。ナイスー。」
1ポイント100円である。俺はまさかの2部屋完璧であった。この1000円は大きい。そして即金でもらえる。俺は初めての清掃で松井からオッケーが出たことの喜びをかみしめていた。
ここで事件が起きる。
田中の方を見ると顔がこの世の物とは思えないほど赤くなっていた。
田中「おい‼︎おかしいだろ‼︎なんで初日のこいつの清掃が完璧でワシのがダメなんだ‼︎」
叫び散らした田中がこちらに突進してきて俺は突き飛ばされた。
ガシャーン‼︎受付の鏡にぶつかり俺の頭からは血が出ていた。
あまりに一瞬の出来事のためみんな硬直していたが、しばらくすると田中自身がやってしまった事の重大さに気付き、すぐに松井に土下座していた。
田中「すいません‼︎本当にすいません‼︎」
俺に対してではなく松井に謝っていることがこの業界のおかしさを物語っている。
松井「俺くん、大丈夫?」
俺「全然大丈夫です。ちょっとびっくりしたけど」
松井「田中さん、次はないよ。あと明日オープンからに変更ね。今日の罰として。」
オープンとは朝10時から店を開けることであり、通しで働くのは非常にきつい。ちなみに平均的なスタッフの勤務時間は13時間程度だ。
この業界は終わっている。心からそう思う。
田中「はい。わかりました。あと俺くんごめんな。」
ついでに謝られた感が半端ではないが揉めても仕方ないので俺は和解した。
そしてこの一連の騒動は田中闘牛事件として語られていく。
次回ドキドキ!?女の子送り編!
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