風俗店員物語vol.15

前回の記事⬇︎
https://note.com/kawayanmath/n/n14e8ad12c09c

〜結婚式放火事件〜

男性が白いスーツを着るのはホストのバースデーイベントをする日か、結婚式くらいしかないだろう。

普段から白いスーツを着ている人はライアゲームに出ているヨコヤくらいだろう。

風俗店員としても結婚式は人生の一大イベントである。

去年の11月22日 世間ではいい夫婦の日として扱われる日にウチの店の主任が結婚式をあげることになった。

おめでたい事である。
その日はウチの店は姉妹店と合同イベントをすることにしてキャストなど全て姉妹店に任せて1日休みにすることにした。
こんな対応をしてもらえるのも普段から主任が徳を積んでいるからに違いない。

主任と結婚する女性は中学生の頃から付き合っているらしい。

俺は永遠の愛は幻想だと思っていたがこの時ばかりは永遠の愛は存在するかもしれないと思ってしまった。

主任の経歴を簡単に説明すると高校を卒業し、アル○ックで働いて辞めた後にウチの店に来た、という感じだ。

当然彼女も主任が風俗店員として働いていることを知っている。また、主任は一切浮気しない。これが主任のすごいところだ。松井も見習って欲しい。
彼女に誤解を与えないため本来、主任以上は講習(vol.15参照)を担当しなければならないが主任はそれを拒否している。

ここまで愛を貫き通した相手と
結婚出来るのは素晴らしいな

俺はそう思い、また主任に対して尊敬の念を抱いた。

結婚式当日、ウチの店のグループラインに主任から連絡か来る。

主任「実は向こうの両親には俺はまだ警備会社で働いていることになっている。申し訳ないが話を合わせるように努力してくれ❗️」

女性側の両親は非常に堅い人なので風俗店員など結婚相手として論外らしい。それは１つの意見としては正しいかもしれない。
しかし主任は誇りを持って今の業務を日々行なっている。

俺たちは主任の優しい嘘を守るため、一致団結して協力することにした。

そして結婚式会場に向かう。

会場には結婚相手の職場の方々、友達そしてご両親がわんさかいた。

主任は高校時代、野球をやっており甲子園にも出場している。同期にはプロもいるらしい。
高校時代のテーブルはゴリゴリの野球部だったので筋肉で溢れかえっていた。

こうして結婚式がスタートした。