風俗店員物語vol.14
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〜チンコ輪切り事件〜
男性で1番大事なものはなんだろうか?
名誉?ノンノン
地位?ノンノン
金?ノンノン
チンコ一択である。
俺は年末の繁忙期を初めて味わったが一言で言うとエグい。
靴のソールが擦り切れるくらい店内を歩いた。
ウチの店の12月の売り上げは2800万ほどだった。
バケモンである。
12月は独身サラリーマン、大学生、既婚者、プー太郎、全ての男性の紐が緩み風俗店へ足を運んでくる。
ウチの店では年末は客はフリーできた場合8時間待ちなどもザラにあったし、オープンした瞬間に走ってくる客もいた。
全力で来る客に全力で対応する。
一進一退の攻防が12月は毎日続いていた。
そんなある日、俺は昼から出勤していた。
店は慌ただしく営業し、最期の客が帰り部屋の清掃を始めようとすると俺以外のスタッフが集まって何か話していた。
俺「何かあったんですか?」
主任「松井さんが彼女と喧嘩したらしいよ。」
えぇ??松井さんに彼女??
俺「なんかのドッキリですか?松井さんが彼女いるわけないでしょwwあんなギャンブル狂が」
松井は月の給料の90%をギャンブルに使うギャンブルキ○ガイ、通称ギャンキチだ。
主任「今年で付き合って6年くらいだよ。」
主任は嘘を付かない。どうやら真実のようだ。
俺は松井に目をやると松井は青ざめた顔で俺の方に近付いてきた。
松井「俺、いくらもってる?」
俺「え、どゆことすか?」
松井「あるだけ貸してくれ。」
松井の月収で金を借りる事態になることは普通では有り得ない。
松井はこの店の店長で月収は大体200万前後ある。1日に6万円使っても余る計算だ。
俺「理由聞かないと貸せないっすよ。」
松井「かくかくしかじかで。」
要約すると
松井は彼女には月収を50万くらいだと言っているらしく、普段は残りの150万は自分のギャンブルに使っていた。そして12月の前半にギャンブルに負けすぎて彼女に渡す生活費50万を使い込んでしまった
ということらしい。
店長という役職が無ければただのハゲたギャンキチである。
そのため彼女にバレる前になんとか50万用意しなければならないらしい。
俺「50万全額はキツイっす。15万が限界っす。」
松井「わかった。15万貸してくれ。そんだけあれば足りる。」
ここで健全な人間は何を言っているんだ、明らかに35万不足しているだろ。そう思うはずだ。
だがギャンブル狂の松井は種銭さえあれば増やして50万に出来ると本気で思っている。
つまり借りる金額はいくらでもいいのだ。
これがギャンブル狂である。
見えないお金を見てしまったら最後だ。
松井「明日の出勤の時に返す。色付けて返すよ。」
そう言って松井は夜の金策に出て行った。
行くのは違法カジノである。
普通の人間のするギャンブルでは月に4回しかない休みで150万以上溶かすのは難しい。
だが違法カジノでは余裕で負けれる金額だ。
店では残ったスタッフで松井が金を用意出来るかを賭けることにした。
俺「金貸したんで期待も込めて金策成功に5000円張ります。」
田中&菊池「100パー無理っしょww俺たちは失敗に5000円張るわ。」
主任「俺も今回だけは失敗に張るわ。単勝1.0倍でしょこんなん。」
こんなにも店長の金策失敗を願う従業員がいるだろうか。
ちなみに俺は金を貸していなかったら確実に金策失敗に張っていた。
こうして松井の金策成功に俺は日払いと飯代を合わせた5000円をオールインしてこの日は営業終了した。
〜次の日〜
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