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アイデアを形にする、2つの。

 自分の心に去来する想いを形にするためには、何をしたらいいのだろうか。いざそれをしようとして手を付けてみても、やはりそれは難しくて、試行錯誤しても自ら道に迷うもののような気がして諦めてしまう。そのうちに何が何やらわからなくなって、本当に正しいこととはなんなのか、そして自分がやるべきことはなんなのか、もうどこから解決すればいいのか判然としなくなる。
 アイデアとは、それを思いつくことや、それを抱くことは些細でも、それを形にすることは大げさなのだ。なんの誇張もなく、それをもし「簡単だ」などと言う人がいれば、その人は超人である。

 しかし、コツはあるはずだ。アイデアを(少なくともひとりで)形にすることは、私達に全く不可能なことではない。なにせ世の中は、毎日そのようにしている人々によって前に進んでいるからだ。それによって回っているからだ。それによって変わっていくからだ。
 そのコツはいつでも発揮できる。もちろん簡単ではない。しかし、そのために、きっかけとなる2つの言葉がある。
 それは、「原初の想い」と「最終の成果」である。これらはどちらもあなたの心の中にある。つまりアイデアを持っている全ての人々の中に、それぞれある。
 原初の想いは理想だ。こうでありたいとか、こうであるべきとか、こうであるはずとかの、あなたの理想である。それはロマンであり、実現を必ずしも保障されるものではない。それを抱いてあなたは進む。何かを実現するために、手放してはならない想いだ。それは指針とも言える。あなたがアイデアを形にするための全ての行動につきまとう、原動力なのである。

 そしてもう1つの最終の成果とは、現実のことだ。それは具体的な、この世にあるものの1つとして目指されるべき形である。それは必ずしもあなたの中になくてもいい。むしろ嫌いでも、遠ざけたくても、結局はアイデアを成し遂げるために向き合わねばならないもの。この現実にあることで意味をなす何かだ。

 理想と現実がきちんと保持されて、そしてあなたが自身のアイデアを実現するために進み続ける覚悟を持っている時、それは往々にして成功する。成功しなければならない。この2つを満たしていることこそ、アイデアはこの世の中において「形になっている」と言える。
 あなたの漠然としていても力強い想いと、最終的に実現可能な目標はどちらも大切なものである。アイデアは、そのどちらかだけでは、この世への出現を失敗してしまう可能性が高い。
 アイデアが、それのままであるならば問題ない。でもそれが現実的に成し遂げられようとするならば、むしろ、理想はそれこそ重要な言葉である。2つ必要なうち、大切なの片方の。
 そしてもちろん、それは形になっているべきなのだから、あるべきその成果は決められていなければならない。

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