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大一番では「いつもの自分のように」か「誰かが気に入るように」か

 活動の連続。人生を過ごしていく中で必ず一度――人によって何度も訪れる転機というものがある。そのような時に私達はどのように振る舞うべきなのだろうか。
 ある転換点を迎えた私達は、さらなる成功のための大一番において、一般的に次の2つが思い浮かぶ。
「いつもの自分のように」
「誰かが気に入るように」

 このどちらの行動が、成功をより引き寄せてくれるのだろうか。

 このような時、どちらも大事などと考えがちである。特に、それまである程度の成功を収めてきた人間は、自分の色もわかっている上に周囲の人間が求める色もつかめている。だからそれらを組み合わせて、「自分らしく、そして求められていることを」しようと思ってしまう。
 けれどそれは違う。というより「やりすぎ」だ。どちらも成し遂げようなど無茶がすぎる。普段ならそれもできるかもしれない。でもさらなる成功や、より大きな舞台に立つ(特に初めて)時にはなによりも「誰かが気に入るように」の方を重視する方がずっといいのである。

 どうしてかといえば、そういった転換点はより多くの人たちを相手にする時だからである。つまり、まったく自分の知らない、予想だにしない、傾向も対策も通用しないような世界に対して、やっていかなくてはならなくなるからである。
 私達が想像するより遥かに、世界というのは広く、そしてそれは私達の日常とはかけ離れている。それを相手にする時、「それまで」は通用しない。もしくはそんなもの相手にされない。知られていないことだってよくある。そういう場合では、「いつもの自分」など何? という感じだ。そのため、寄り添うべきは今までよりもこれからだ。これまでよりも今からだ。

 ここぞという時、そして大一番において、きちんと自分の目の前にいる人々を見て、今やろうとしていること、やるべきことのために、それを最大限に気持ちよく遂行するために動かなければならない。
 すると必然的に、「求められていること」に注目せざるをえないし、それを第一にやることになる。大切なのはそのように、自然に考えることだ。大一番ではよく、成功したらとか失敗したらとか考えて、目の前が見えていないことが多い。
 その時に自分がなすべきことは何なのかをきちんと理解するためにも、「誰かに向けて」即ち「今いる目の前の人々に向けて」行動せねばならない。

 すると自然に、それは成功を呼び込む。

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