キャラクターを社会的地位で3分割する
人間には身分というものがあるが、創作上のキャラクターにも同じことが言える。身分のないキャラクターはおらず、どんな者でも(性別、種族、出身、思想…)持っている。そして、それは設定されてなくてもそうなのだ。
キャラクターというのは人間と違い、リアルタイムでの人生を持たない。現実の人間のような成長する過程はないのだ(そのような設定が与えられるだけだ)。だからそれは、生まれた瞬間にそれである。
そのため、生まれる前のキャラクターでない限りは、それは「どういう存在なのか」が確定している。これをつまりは、身分や社会的地位、実情と言うのである。
このようなキャラクターの生まれながらの身分は、基本的には3分割して考えられる。
過去の身分によって、そのキャラクターの原点がわかる。出発点と、それにまつわる身分。これはキャラクターが創作された瞬間にどんな存在として定義されたかというものでもある。ここからキャラクターは他のキャラクター達との関わりによって変化していく。
現在の身分によって、そのキャラクターの変化がわかる。成長と、それにまつわる身分。これはキャラクターがどのような方向へ進んいるのかが表れるものであり、もっともそのキャラクターらしい、基本的な身分として示されるものである。
最後に未来の身分によって、そのキャラクターの結果がわかる。最終到達点と、それにまつわる身分。これはキャラクターの夢や希望や、避けがたい運命を反映したものだ。そしてそのキャラクターが成しえる1つの理想、もしくはその失敗の姿である。
過去、現在、未来と、キャラクターを身分によって切り分けることで、それをより詳しく知ることができる。人間のような人生を送れないキャラクターにとって身分とは、設定によらずとも(つまりなんとなく曖昧でも)持ち得る存在証明だ。だからこそ、それははっきり見えなくて作者ですら適切に扱えないことがあるものでもある。
しかし身分は大切なのだ。キャラクターにとって、過去から未来を「ある」とアピールできる、理解してもらえる、大いなる武器として。
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