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プロットは“粗く”“細かく”

 ストーリーは「プロット」から成る。それは大まかな流れをあらかじめ決めておくことで、破綻のない物語を紡ぐための方策である。
 だからあくまでもそれは「大まかな」ものでしかない。何が始まり、それがどうなっていき、そしてどのように決着するのか。それを決めるだけでいいし、それがプロットというものだ。
 ストーリーの紡ぎ手は、それをもとに、あらかじめ決めた流れをガイドにして物語を築き上げていく。いわばそこが本番なのである。

 しかし、プロットはいつも必ず「大まかな」なものでなければならないわけではない。というよりもプロットは、粗く、細かく、そのどちらもでなければ役目を果たせないものだ。
 粗く。細かく。大まかな流れと、細部の流れ。これらが組み合わさったものが、良いプロットである。そして良いプロットからは、良いストーリーが生み出される。

 プロットは物語の設計図であるから、それは始まりから終わりまでをきちんと描かれていなければならない。そうすることで、終わりから逆算して、ストーリーの中で起こる出来事を決めていくことができる。
 ストーリーを作り始める際の確固たる指針だ。
 しかし一方で、ところどころ重要な流れについては、プロット段階で細部が詰められていなければならない。なぜなら大まかな流れだけでは、逆算の材料が足りないことがあるからだ。
 登場人物の心の動き、関係性の変化、起こる事件の実際の流れ…。大まかなプロットはあくまでも、出来事の流れを設計する。だからどうしてもフォローできない部分は細かくならざるをえない。むしろプロットだからといって「大まかな」にこだわっていたら、それはストーリーの本当の意味での「ためにはならない」のである。

 よってプロットは粗く、細かく。粗さをベースに、細かさも。そうすることで、それをもとにしたストーリーはより良く、より面白く、形作られていく。

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