そのキャラクターは誰のために力を振るうのか

　キャラクターはその生きる世界の中で動く。そして様々な利益や不利益を被り、人生とでも呼べるべきものを歩んでいく。
　それら人生は色とりどりだ。キャラクターとひとくちに言っても、それらはもちろん、全く異なる性格や趣味、価値観を持っている。
　その違いはひと目に分かるものではないかもしれない。たとえば双子のキャラクターであっても、その食べ物の好き嫌いは異なることもある。お気に入りの服も違う。互いのことをどう思っているのかだって、同じではないかもしれない。
　だが、キャラクターの特徴を区別する上で有用な質問がある。つまりその質問をすることで、そのキャラクターのある重要な部分を明らかにすることができるのだ。

　それが「誰のために力を振るうのか」である。力を振るう。それが明らかにするのは、そのキャラクターの真実の側面だ。なぜなら、普通、力を振るうというのは特別なことだからだ。
　力がないところに力が集まる時、そこには不自然な意思が働く。不自然とは、当然でなく意図的ということだ。その不自然さは、キャラクターの特徴を表すことになる。
　たとえば誰かの制止を振り切ってまで、きょうだいのために力を振るったり。両親よりも師匠の言うことを信じて動いたり。誰のためでもなく自分のためにその力を振るったり。
　そういった「力を振るう」という行為と、その目的にはキャラクター固有の事情が映る。すなわち、キャラクターのことがよく分かるというわけである。

「誰のために力を振るうのか」。それをキャラクターに聞く時、そして答えが得られる時に、そのキャラクターのことを理解する手助けになる。それはキャラクターの根本の1つである。

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