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伊豆の「モノ」「コト」「ヒト」が集う玄関口から「元気」をつくる | 道の駅 伊豆ゲートウェイ函南の取組
伊豆につながる伊豆中央道のはじまり・函南町に位置する、道の駅伊豆ゲートウェイ函南。伊豆地区で8番目の道の駅として2017年5月1日に開業し、現在は年間来場者およそ190万人を超える道の駅となりました。
敷地面積は約13,000㎡、ロの字型の建物の中に物販や飲食店が軒を連ね、吹き抜けの中心部はイベント広場として活用しています。
当道の駅は、函南町のPFI事業(民間の資金とノウハウを活用する社会資本整備)として建設・維持管理を加和太建設が担い、当社を中心としたSPC(共同企業体)の「いずもんかんなみパートナーズ」が施設内の店舗運営を行なっています。
道の駅の運営スタッフとして働いている私も加和太建設の社員です。
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道の駅誕生のきっかけは、函南町の中心市街地に走る「伊豆縦貫自動車道」の開通です。
函南町は、道の駅設置を検討していた当初、交流人口の増加を必要とする中、伊豆縦貫自動車道の一部、東駿河湾環状道路により町が分断され、観光客の素通りが増えることが懸念されていました。
そこで官民連携手法を用いて道の駅を整備することで、函南町を発展させようと試み、道の駅を事業化することになったのです。
道の駅の整備により、雇用と地産地消の場の創出や、交通・観光情報の提供、防災機能を備えることで、函南町や伊豆全体の拠点となることを期待されました。
加和太建設は、この道の駅に伊豆地域の産物=「モノ」、情報=「コト」、人=「ヒト」を集約し、訪れた人が伊豆地域の魅力にもっと触れたい!と思ってもらえるような場にしたいと考えました。そして道の駅が、函南町をはじめとする伊豆地域への送客や各地域の連携による相乗効果を生み出す場となることで、地域の人の結束や地域への愛着、関心、共感も生む場所にしたいと思っています。
現在も道の駅の運営では、伊豆中央道の入り口に位置する『伊豆の「モノ」「コト」「ヒト」が集まる伊豆半島の玄関口』として、商品や情報の提供、地域の人の連携を生むような取り組みを行っています。
道の駅を拠点とした地域の賑わいの創出、活性化のアイデアの実現により、地域の方々と地域資源を生かす・創出する活動=「世界が注目する元気なまちをつくる」事業を行っているのです。
そんな道の駅伊豆ゲートウェイ函南の事業を、伊豆の「モノ」「コト」「ヒト」の3本柱でご紹介します。
伊豆の「モノ」を楽しむ
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道の駅のロの字型の建物の中には「物産販売所いずもん」があります。
この物産販売所では、函南町の農家さんが育てた新鮮なお野菜や、丹那高原トマト、初夏の函南西瓜などの函南町特産品はもちろん、伊豆各地のおみやげも種類豊富に揃えています。種類の豊富さや試食を通じて選ぶ楽しさを提供しながら、函南町や伊豆のモノの魅力を知ってもらう場としています。
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物産販売所いずもんの入り口横では、地元で愛される丹那牛乳を使ったソフトクリームスタンドも営業しています。
大人気のソフトクリーム(私はここのソフトが一番おいしいと思ってます!)をはじめ、蛇口をひねると飲むヨーグルトが出てくる「蛇口ヨーグルト」や、丹那牛乳からのバターづくり体験などを提供しており、連日多くのお客様にお立ち寄りいただいております。
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そして、ソフトクリームスタンドで販売している焼き菓子「あみにょん焼き」は、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました!
あみにょん焼きは、丹那牛乳からバターを作る際に出るバターミルクを活用し、函南町の文化財・阿弥陀如来坐像のお顔をモチーフにしており、地域企業や美術館、県内大学生など、さまざまな方々が連携することで誕生しました。その誕生背景はこちらの記事にてご紹介しておりますので、ぜひご覧ください!
物産販売所いずもん店内でも、お土産用の箱菓子として「あみにょん焼き」販売中ですのでお試しあれ。
道の駅には物販だけでなく、食事を楽しめるお店も3店舗あります。
正面ゲートの右隣には、ドライブのお供にぴったりなTully’scoffeeが。ゲートを入って正面奥にある沼津魚がし鮨では、近海のとれたて鮮魚や新鮮な肉・野菜を味わうことができます。
2階のGREEN GRILL KISETSUは、函南町特産品のトマトを使ったお料理を楽しめるレストランで、天気がいい日には窓いっぱいの富士山を望みながらお食事ができます。
このように、道の駅のロの字型の建物の中には、函南町や伊豆の「モノ」を買って、食べて楽しめる施設がギュッと詰まっています。
そして、地域の魅力創出にも寄与できるよう、道の駅から新しい函南町名物の誕生にも取り組んでいます。
伊豆の「コト」を知る
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正面ゲート左側は、道の駅の「観光案内所」です。
ここでは、案内人のコンシェルジュが常駐し、お客様の困りごとや知りたい情報にお答えしています。
伊豆半島各地の施設パンフレットや地図を豊富に揃え、情報雑誌をはじめとする貸出可能な本を集めた本棚もご用意。掲示板では伊豆の旬な情報を毎月更新しており、地元ならではのおすすめグルメや桜スポット、果物狩りなどなど、様々なトピックスをお伝えしています。
またコンシェルジュ自ら観光地に出かけての情報収集も行い、お伝えできる情報の幅を広げています。
私も実際にマモリくん(唐突な登場ですが伊豆ゲートウェイ函南のマスコットキャラ)を連れて、伊豆半島の色々な場所やイベントにお出かけし、レポートとしてSNSにアップしています。
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地域の方によるイベントやお店のチラシ配架なども行っており、地域の魅力発信の場として、情報提供する側と受け取る側の両面からご活用いただいている場所です。
伊豆の「ヒト」にふれる
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道の駅では休日・平日問わず、イベント広場をはじめとするさまざまな場所で催し物が行われています。
地域のパフォーマーさんや音楽家の方の発表、地元産品や福祉事業をPRするマルシェ等、地域の方や企業さんの活躍の場として活用いただいています。
その他、情報発信基地の役割の一つとして、ラジオの公開生放送も毎月実施。
また地域事業者の出店や、地域で活動しているサークルの開催場所として、施設貸出も行っています。
このように、地域の方の経済活動をする場、地域の方たちが集まるコミュニティの場として道の駅を活用いただいており、観光に訪れたお客様にとっても、物産販売所や食事処の利用だけにとどまらず、楽しめるコンテンツを提供することにつながっています。
これらの「場所を使いたい」という方への貸出だけでなく、道の駅運営が企画するイベントも開催しています。
お正月には福引大会や丹那牛乳のホットミルクおふるまい、函南西瓜の時期には試食提供や函南西瓜をかけたじゃんけん大会など、季節に合わせたイベントはもちろんのこと、地域の学校と連携したイベントやお子様向けの職業体験イベントなども実施しています。
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2021年から毎年11月に開催している「エス・ウェル・フェス」は、道の駅で研修を受けた特別支援学校の先生発案によりスタートしました。
県東部と伊豆地域の福祉をテーマに、県東部の特別支援学校と町内高校の全5校の生徒さんの作品展示や、特別支援学校生徒さんによる製品販売等を実施しています。
福祉事業所と農業の連携で生まれた製品を販売する「農福連携マルシェ」や、障がいを持つアーティストによる原案をもとに、来場者参加型で窓に大きな絵を描く「ウインドウアート」などのワークショップもあり、障がいの有無にかかわらずお楽しみいただけるイベントとなっています。
特別支援学校さんには、学校で開催するイベントよりも不特定多数のお客様に作品を見てもらったり、販売することができる貴重な機会とのお声をいただいています。
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2023年11月には、函南町創立60周年記念イベントの一環として、「トマト祭り」が開催されました。町内中学生が発案し、道の駅運営をはじめとする大人たちが実現させたイベントです。
当日はスペインのトマト祭りから着想を得た「令和トマト合戦」や巨大パエリアづくり等が行われました。
さらに当イベントに合わせて町内小中学生からキャラクターデザインを公募して「かんなみとまぴよちゃん」も誕生。函南町産のトマトをPRし盛り上げるイベントとなりました。
「トマト祭り」開催後もトマトのPRは続けたい!となり、2024年は町内小中学生を対象に、トマトを使った新しいお土産アイデアコンテストを実施。
現在、商品化を目指して、プロジェクト進行中です!
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職業体験イベントは、これまで毎年8月の夏休みの時期に合わせて「なつやすみこどもコンシェルジュたいけん」を実施していました。2024年10月には、地域の子供たちに、観光案内所だけでなく道の駅のもっといろいろな場所に親しみを持ってほしいと思い、道の駅のテナント全5店舗の協力を得て「道の駅こどもおしごと体験」を開催しました。
当日は、子供たちが試食提供をしたり、レジ打ちをしたり、館内放送をしたりとにぎやかな雰囲気となり、参加したお子様にも保護者様にも、楽しくお仕事体験ができるイベントとしてご満足いただくことができました。
このように様々なイベントや施設利用の受け入れ、イベント企画を行うことで、観光のお客様はもちろんのこと、地域のお客様にも、何度来ても違った楽しさがある場所として、道の駅を楽しんでいただきたいと思っています。
みなさんもお越しの際はぜひ、道の駅HPをご覧になって、何かイベントが開催されているかチェックしてみてくださいね!
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道の駅伊豆ゲートウェイ函南では、観光のお客様や地域のお客様にとって、楽しめる・利用価値のある場所になれるよう、これからも施設づくりを行っていきます。
買い物したいとき、遊びたいとき、休みたいとき、チャレンジしてみたいことがあるとき、いろいろな場面で、道の駅に行ってみよう!となってもらえるような施設になれればうれしいです。
そしてこの施設づくりが、結果として「世界が注目する元気なまちをつくる」ことにつながっていくのだと思っています。
この記事を読んでくださったみなさんも、初めましてでも何度目ましてでも、ぜひ道の駅へお越しくださいね。道の駅スタッフ一同、お越しをお待ちしています!