主に自分のための備忘録です。 まずは一言、すごい作品を読んだ。 今回の下巻は、上巻で4人の面壁者が企てた作戦の効果が特になく批判された、無視された後の物語。 4人中2人の面壁者は自殺し、もう1人は自分に敗北主義の暗示をかけ、最後の一人羅輯(ルオジー)は宇宙に呪文を送信したあと、冬眠していた。 羅輯が冬眠から目覚めると、世界は一変していた。そこは地下の世界で、大不況を乗り越え、テクノロジーのブレイクスルーが行われた新たな地球となっていた。身の回りの物体は全てがディスプレ
前回noteを書いてから早1ヶ月が経ってしまいました。仕事忙しすぎです。 さて、今回は三体Ⅱの上巻を読みました。前半は三体世界を迎え撃つために何をするのか、主人公の羅輯(Luo Ji)はどんな人物なのかを説明する部分が多かったです。葉文潔から宇宙社会学の公理を受け取り、1度志したもののすぐに諦めてしまいました。 まず、この小説を最初に読んで思ったことは、「いや、汪淼出てこないんかい」という感想でした。さらに、2つ目に思ったことは「大史キター!」でした。 三体Ⅱでは、三体
今回は、小野寺史宜さんの「ひと」「まち」を読んだ読書録です。 この小説は、家族をなくしてしまった青年が人のやさしさ、あたたかさに触れることで一歩ずつ歩き始めるという物語です。 どちらの小説も東京が舞台となっており、アルバイトをしながら自分のルーツや行く先を探し、恋愛ができるまでの道のりが描かれています。 「いえ」では、両親をなくし大学も中退してしまった主人公聖輔が、商店街のお惣菜屋さん「おかずの田野倉」に立ち寄りコロッケを買おうとします。しかし、見知らぬおばあさんにコロッ
お久しぶりです。実は1~2週間前には読了していたのですが、仕事が忙しく書き留める気力がなかったので今に至ります。いつも通り、感想とは言えない自分用の内容まとめです。 さて、今回読んだのは世界的名作SFの「三体」の1作目です。私は基本文庫派なので、日本に上陸した2019年から文庫化されることを心待ちにしておりました。読みたいなら大きいハードカバーでも買えよと言われてしまいそうですが、そこは許してほしいです。 つまり何が言いたいかというと、念願の一冊なわけです。待望の一冊は、
画像 今回は、あの映画化もした大ヒット作品「変な家」シリーズである「変な家2」を読んでみた感想です。前作である変な家と同じく、「間取り」というミステリー・ホラーにつながらなそうなことに隠された、家族の秘密や真実が暴かれていきます。 今回の"2"では、まず11の間取り(建物)それぞれがどのような成り立ちから存在しているのか、生まれてきたのかが関係者などによって探られていきます。ここでは、まだ推理というよりかは想像の枠にとどまっている気がしました。 今回大きなカギになってく
画像参考 今回読んだ小説は、本屋大賞2024でおなじみ「成瀬は天下を取りに行く」の続編である、「成瀬は信じた道をいく」です。 前作同様、誰かから見た「成瀬」が色濃く記されています。ただし、今作は成瀬が誰かを救っているのです。そして、その誰かに成瀬は認められ、尊敬されます。 今までは、理解者がほぼ島崎ひとりだったのに対して、成瀬が信じた道を進んでいくこと、そして大人になり様々な人とかかわることで、交友関係が広がってゆきます。 そんな成瀬の一番の、唯一の理解者だった島崎は
ブルーピリオドのアニメを見ました。そして、単行本も最新の15巻まで読みました。もともと美術館に行って絵画を見ることは好きでしたが、それはあくまでも「見る」側の視点の話であって、「描く」側の視点を感じられたのはとてもよい体験でした。 同時に、東京藝大という環境自体にも興味をもちました。そこで出会ったのが、この「最後の秘境 東京藝大」という作品です。主にインタビュー形式で実際に作者の二宮敦人さんが見聞きしたことが文章になっていて、藝大のリアルが感じ取れます。 作品を読んで少し
画像 : https://www.shinchosha.co.jp/special/naruten/ 今回は、本屋大賞2024にも選ばれた「成瀬は天下を取りに行く」を読んだ感想です。 最初、この小説のタイトルを見たときには、どこかの企業で出世でもするのかと思い、表紙を見て女子野球もしくは野球のコーチで全国優勝でも目指すのかと思いましたが、まったく違いました。 滋賀県を舞台とする本小説は、主人公である「成瀬あかり」が挑戦(しでか)したことを軸にすすんでいきます。成瀬は突然