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【執筆日記:8月13日〜29日】同世代の作家さんへの嫉妬が止まらない/うまく書けないときの対策/ストレス発散からあげ
8月13日(火)
今日は1日家に引きこもっていた。全体のプロットは一応見えてきたので、今度は細かいプロットを考え始める。
先週から読み始めた『ベストセラー小説の書き方』を読み終わる。クーンツ先生、すごい。紙面越しにひれ伏したい気持ちになる。
とくに「間接話法」と「直接話法」の違いを読んだときにはドキーッとさせられた。小説を書き始めてから悩んでいたことへの答えが、ありありと、そのまんま、ストレートに書かれていたからだ。そうそう、まさにそれに悩んでたのよ!
このところ悶々としていたので、我慢できずにからあげを揚げる。この世で一番好きな食べ物は間違いなくからあげだ。ということで、昼間のうちにタレにつけておいたからあげに片栗粉をまぶし、もくもくと揚げた。1回目は4分で揚げて、30秒二度揚げ。カリッとしておいしいからあげになった。夫にばれないように、にんにくのまるごと揚げも、3個も食べてしまった。うまい。
8月24日(土)
間が空いてしまいました。
一昨日くらいにプロットが固まり、原稿を書き始める段階に。プロットを組んでいる途中から、書きたくて書きたくてたまらなくて発作が起きそうだったから、嬉しい。やっぱりこれくらい「うおー、書きてー!!」という気持ちが高まるまでプロットを固めてから書くのが、私には合ってるんだろうなあ。
お盆期間は原稿をやったり、韓国旅行に行ったりといろいろあった。
それから、6月くらいから入院していた祖母がやっと退院になり、祖父母宅へも行った。元気そうでほっとした。
そのあとは両親と居酒屋に行っていろいろ話した。あつあつのさつま揚げがおいしいお店だった。
父親が最近考えていることについて聞く。どうしても忘れられないことも、後悔も、罪悪感もずっと胸の底のあたりに残っているけど、それでもそういうものを抱えながら生きる、その人間の有り様そのものが尊いと思うし、だから、全部がハッピーじゃなくてもいいんじゃないか、という話を聞いて、また泣きそうになった(すぐに泣いてしまう)。つくづく自分は父に似ているなと思った。
これから書いていきたい物語にも通じる部分があると思った。
8月25日(日)
書きたい情報を、全身になじませることが大事だと痛感した。
なんとなくうまく書けないな、キーボードに手を置いてもうまく動かないなという日が連続した。
そこで、いつもと手順を少し変えてみた。
書きたい原稿に関連する資料をとにかく読み込む。重要なエピソードにかんしては繰り返し何度も何度も読む。
ポイントだと思うところを洗い出す。メモしておく。
そうすると、点と点だった情報たちがつながっていく。「あ、こうすれば線になるんだ!」が少しずつわかってくる。
小説を書くときも、ライターとしてインタビュー原稿を書くときも、なにかを書くときにはこれがとにかく大事だと思った。いや、今までも大事だとは思ってたんだけど、割合を変えた感じ。今までのエネルギーのかけ方が資料を読む3:執筆7くらいだとすれば、資料を読む9:執筆1くらいのテンションでもいいのかなと思いはじめた。
脳の奥に栄養素をぐんぐん染み込ませる。
情報を脳みその端っこまで行き渡らせてからじゃないと書けない。
8月28日(水)
唐突だが、同世代の作家さんがたへの嫉妬が止まらない日だった。
だってさー、私よりぜんぜん若いのに文学賞とか何個もとっててさー、本もベストセラー入りしててさー、しててさー、しててさー、しててさー!!
最近は本屋へ行くのが実にしんどい。しんどくてたまらない。
平積みされている本のカバーそでをぺらりとめくっては、プロフィール欄の生まれ年をたしかめるのがルーティン化してしまった。私より年上ならまあ許してやろうという気持ちになり、年下ならほら、あれだよ、この人って天才なんだよと言い訳をし、同じ年ならきええええ! とシンプルかつ猛烈に嫉妬するという意味のわからない行動。やらなきゃいいのにね。そして、嫉妬にまみれながら同世代作家さんの本をいくつかポチる。どうせ読んだらまた嫉妬するんだろうなとわかっちゃいるのになぜ繰り返してしまうのか。
しかしその後、たまたまSNSで私が嫉妬していた作家さんが、また別の作家さんに「猛烈に嫉妬した」という趣旨のことを書いていて、びっくりする。こんなにすべてが順風満帆そうな人でも嫉妬するのかと。ならばあるいは私にも嫉妬してくれる人がいるかもしれず(たのむいてくれ)、「あいつよりいいものを書きたい」という嫉妬の連鎖でエンタメ業界に好循環が生まれているのだとすれば、何度ゴミ捨て場に捨てても翌朝になると戻ってくるこの嫉妬とプライドも、かならずしも無駄じゃあないのかしら、と都合よく解釈しておいた。というか、こんなに嫉妬してしまうほど好きなものがあるというだけでも幸せと思うべきかも。
8月29日(木)
朝、いつものカフェに行く。喫茶店の店主にすっかり顔をおぼえられてしまって恥ずかしい。
でも、いつも余計なことは言わずに淡々と接客してくれるのでありがたい。店主も読書好きのようで、カウンターの奥で文庫本を読んでいた。
前回このお店に来たときは、プロットがうまくまとまらなくて不安でしょうがなかったなあ、などとエモい気持ちになりながら(調子にのるのがはやいって)原稿を書く。
今も悩みながら書いていることにはかわりないけれど、明確な指針ができてきたおかげで、キャラクターたちの動きがいきいきとしてきた気がする。
書くのが楽しい、とはなんと幸せなことか。
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