七月十六日 たんぽぽのお酒、ライム=バニラ•アイス
電書の積読は、積読をしているという意識がなくなる。こりゃだめだ。いや、別に電書を批判しているのではなくてね。私の性格の問題なんだが。
アイコンをタップした後、見るのは数段程度。下の方までスクロールするなんて事は、余程のことがない限りやらない。怠惰人間には向いていないのだ。
今日は通勤時に持って来ていた本を読み終えてしまったので、久しぶりにKindleのアイコンをタップ。中村明日美子さんの『コペルニクスの呼吸』を発見(そもそも忘れていた)、そして読む。
なんと、元フラン文化相ジャック•ラングの言葉がいきなり一ページ目から待ち構えていた。おぅ、なかなかのパンチだ。内容も重量感がある影といった感じ。サーカスを舞台に、人の心の影が蠢く。って、まだ一巻だけど。
お陰で朝から気合が入った。そして、今日はめちゃくちゃ忙しかったが、なんとか終われた。月曜日に出勤して「あちゃー」なんてことのないように……ここは祈るしかない。
汗だくでボロボロになって、混雑した電車に乗ると、もはやビールが女神に思えてくる。最近は金麦のエールタイプが好きだ。爽やかでサッパリしていて、優しい苦味。香りや味が薄いのではなく、すっと喉にしみる感じだ。そうそう、そう言えば昨日文筆家の吉川浩満さんが、たんぽぽビーズがあるとツイートされていたな。ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』(晶文社)を読みながら、飲んでみたい。
小説『たんぽぽのお酒』を思い出すだけで、白や黄色、オレンジの眩い太陽ドロップを口の中いっぱいに詰め込んだ気持ちになる。眩しくて、子供の頃の無邪気な心が帰って来てくれる感じ。
物語の中には、たんぽぽ酒だけでなく美味しそうな食べ物もたくさん。山いちご、ライム=バニラ•アイス、そしてフリカッセ(チキンなどのクリーム煮)。
おや。金曜日の遅くまで仕事をしたというのに、なぜか元気になってきた。『たんぽぽのお酒』のお陰だ、小説の力ってすごい。