メンタル弱いけどキャリアコンサルタント資格を取ってみようか迷っている人に伝えたいこと
この記事は、こんな方に向けて書いています。
国家資格キャリアコンサルタント試験を受けるか迷っているけどメンタルの強さに自信のない人
人事職のキャリアアップ方法のひとつとして、挑戦してみるのもありかなと思っているけどメンタルの強さに自信のない人
人事職への転職を考えているので箔をつけるために受けてみようかなと思っているけどメンタルの強さに自信のない人
要は、絶対に仕事で必要なわけではなく、「国家資格の中では比較的簡単だって言われているし、受けてみるのもありかな」程度に考えている&メンタルの強さにそこまで自信のない方向けです。
なんでメンタルの強さに自信のない人、を強調するのかというと、私がそうだからです。
そして、伝えたいことは
よく調べて考えてから受験しましょう!
ということです。
なぜなら、私は講座を受講して試験を受けたこと自体は後悔していませんが、一方で、過去に戻って自分と話せるなら、「受けるのはやめておけ」と伝えるだろうなと思っているからです。
私は、自分なりにがんばって勉強してわりと苦しい思いをしたけれども、結局資格をとれなかったし、再受験はしないと決めました。
もっと自分の向き不向きがわかっていたら、述べ8ヶ月くらいの回り道をしなくても済んだかもしれない……
そう思ったので、同じような回り道をする人を少しでも減らせるよう、私が今回学んだことを共有する目的で書いています。
キャリアコンサルタントを学んだことは後悔していない。
でも、しなくていい回り道ではあったと思います。
あくまでも私の場合は、というひとつの例ですが、こんな人もいるんだなぁくらいの参考にしていただけたらうれしいです。
学科はほぼ満点、面接で不合格
私の試験結果は以下のとおりです。
学科(100点満点) 96点
実技(論述/50点満点) 31点(判定A)
実技(面接/100点満点) 44点(判定:態度B、展開B、自己評価A)
学科は高得点。
でも実技の面接がボロボロでした。
実技の合格ラインは論述と面接を合わせて90点以上取ることですが、私は合計75点で、かすりもしない出来でした。
あと1点でしたー!悔しい!とかいうレベルではなく明らかに足りない。
顔洗って出直して来いと言われても文句を言えない水準。
論述はすごく悪いというわけではなく、そこそこ取れていると思います。
でも面接があまりにもできなかったため、足を引っ張ってしまい、不合格となりました。
面接がボロボロだった理由
理由は大きく分けて二つあると思います。
一つは、私のメンタルが激弱だったこと。
もう一つは、試験当日のケースがドンピシャで苦手分野であったこと。
一つ目の理由のメンタル面。
私にとってはロールプレイング(ロープレ、面談を想定した1対1の練習)のストレスが大きかったのと、実技試験への不安のせいで、試験直前に強めのストレス反応が出ました……
これまで、受験、卒論、就活、昇任試験など、個人的には今回の試験よりもプレッシャーが大きい場面でもそんな体調の変化は起こらなかったのに、今回はなぜかそういう形でメンタルの限界が来ました。
練習も試験の内容も、とにかく苦しかったのだと思います。
自分でも、どんだけ嫌やねん……と自分に突っ込みましたね。
二つ目の理由の試験のケースがドンピシャで苦手分野だったことは、もっと練習しておけばよかったじゃないか、と言われたらぐうの音も出ません。
でも、ちょっと言い訳させてもらえるなら、同じ受験仲間の中で比較しても、がんばって勉強や練習をしていた方だとは思います。
それだけ準備をしたのに、面接での相談者の役が私の苦手な気難しい性格の年上男性の方で対応に困ってしまいました。
ケースの内容も個人的には扱いが非常に難しいものだと感じました。
試験を受けた人は守秘義務があるので詳しいことは言えませんが、20〜30回程度やってきたロープレの練習の中でも経験したことのないタイプの相談者の人柄と内容だったので、緊張と相まってかなりボロボロでした。
私にとっては苦手な「はずれ」ケースだったのだと思います。
でも、本来、どんなケースが来ても対応できなければならないので、それは言い訳でしかないなぁとは思います。
再受験はしないと決めた理由
キャリアコンサルタント試験は、学科や実技の合格結果を次回以降に持ち越せます。
私の場合は、学科は合格しているので、次は実技だけ受験すればいいわけです。
実際、2回、3回と繰り返しチャレンジした結果、晴れて資格取得!となる方も多いです。
でも、私は再受験はしないことに決めました。
理由は、相談業そのものが向いてないと感じたからです。
致命的な欠点
ロープレ練習が面倒くさい、とか、つまらない、とかならまだいいと思います。
私の場合は、ロープレ練習が辛かったので、もうこれ以上がんばるのは無理だなと判断しました。
どのくらい辛いかというと、練習の何日も前から「嫌だな」「やりたくないな」と憂鬱な気持ちになり、終わった後も指摘されたことに落ち込んで、「私はダメだ向いてない」「全然受かる気がしない」とネガティブになり、泣いたりしていました。
大の大人がそんなことで泣く……?って感じですが、お豆腐メンタルなので泣くんです。
でも教えてくれる有資格者の方々は、「楽しく学びましょう!」「ロープレ楽しんで!」「失敗しても、成長してると思うと楽しいよね」と言っていました。
いや、ぜんぜんわからん……
私は楽しむべきだと思ってもまったく楽しむ気持ちになれず、楽しんで練習するということがまったく理解ができませんでした。
だんだん慣れて勝手がわかってくれば楽しくなるのかと我慢していましたが、最後まで楽しくなりませんでした。
練習とはいえ真剣な場だし、対応を間違って相手を傷つけたり不機嫌にさせてしまったらと思うと怖いし、正解がよくわからんから成長している実感も感じにくいし、全然楽しくないが……?
そんなふうに感じていました。
でも、教えてくれるキャリアコンサルタントの有資格者からは、「不機嫌な相談者が来たら、そうか、この人はこういう感じ方をする人なんだな、という判断材料を与えてくれたと思えばいいんです」と前向きな発言をもらいました。
キャリアコンサルタントになる人との決定的な違いを感じた気がしました。
なにはともあれ、練習の時点でこんなに辛いのでは、キャリアコンサルタントになったらもっと辛いだろうと予想できます。
どうしてロープレが辛かったのか。
今思いつく限りでは、以下のことが理由かなと思います。
基本、ネガティブ思考
自分を責めてしまう癖がある(自責思考)
自分と相手の間の境界線があいまいで相手の感情に引っ張られてしまう
人見知り(初対面の人と関係を構築するのに時間がかかる、自分から関係を構築するのが苦手)
正解がないことにストレスを感じる
基本の型がないと勉強の仕方に困る
相手に遠慮してしまって踏み込めないから、話が進まない
瞬発力のある対応が苦手
準備ができないことへの臨機応変な対応が苦手(ある程度できるけど、やる前の不安が強い)
できないことや不得意なことを探してしまえば、いくらでも出てきます。
言い訳だと言われても仕方がありません。
でも、上記のような性質があるので、私は「人と接することにそこまで積極的ではない、むしろおっくうに感じる」という人間なのだと思います。
それって、相談業として人の人生に踏み込んでいく職業にとっては致命的だと思うのです。
それでも、週1回以上、多いときには週3回程度のロープレ練習を入れていました。
すでにキャリアコンサルタント資格を持っている人からのアドバイスを受けられる有料の練習にも参加していました。
逐語録も読み返すのが辛いですが、毎回作成して確認していました。
トータルで20〜30回程度は練習したでしょうか。
ロープレ苦手な自分としては、よく頑張ったと思います。
でも、致命的な欠点を持ったままで、その練習量では足りなかったようです。
受験前にもっとよく調べておけばよかったと思うこと
キャリアコンサルタント試験を受ける前にもっとよく調べておけばよかった、と思うのは、キャリアコンサルタントの仕事についてです。
私は、「基本的には、初対面の人と話すことが前提になる仕事」ということがよくわかっていませんでした。
「初対面の人と話すのは苦手だけど、社内の人や友人に対する相談なら大丈夫。あとは、対面の必要がないnoteとかでキャリアについて発信する際に説得力が増せばいいな〜」くらいの気持ちでいました。
でも学んでみて初めて知ったのですが、キャリアコンサルタントは「多重関係」を避けて相談を受けることが基本なので、社内で関係の深い人や友人の相談を受けるのは本来避けた方がいいのです。
「多重関係」とは、キャリアコンサルタントと相談者の間に、それ以外の関係性が成立している、ということです。
キャリアコンサルタントと相談者が、先輩・後輩、親・子、直属の上司・部下、などの関係だった場合、その力関係や発言力、立場の違いによる偏った見方、願望など個人的な感情が邪魔をして適切な相談ができなかったり、ハラスメントが起こったり、判断を誤らせたりする可能性があります。
そのため、キャリアコンサルタントは初対面の人と接することが基本になってくるのです。
初対面の人の相談に応じること……人見知りの私にはハードルが高かったようです。
30年以上、人見知りを克服しようとしてきましたが、人並み以上にできることはありませんでしたし、どうやっても苦手を得意にすることはできない以上、初対面の人の相談に乗る苦しみは続くと思います。
調べが甘かったし、向き不向きがちゃんと判断できてなかったし、振り返ってみるととてもいい加減な判断をしていたなと思います。
メンタル弱いくせに相談業なんて志してしまったのはなんでなん……と過去の自分が不思議です。
でも、メンタル弱い人は優しい人も多いので、相談業に憧れる人も多いように思います。
意外と私のような浅い判断をしている方は、いるかもしれません。
受験を考えている方へ
最後に、キャリアコンサルタントの受験を考えている方にお伝えしたいことがあります。
ここまで読んで、自分もメンタルの弱さや性格が似ていそう……と思われた方は、キャリアコンサルタント資格の必要性について、もう一度しっかり考えた方がいいかもしれません。
もちろん、これは個人の感想なので、当てはまるからと言って向いていないわけでは決してないと思います。
なにせ、私はキャリアコンサルタントになれなかったので、本当の向き不向きなどわからないと言われたら、そりゃそうだ、としか言えません。
得意不得意向き不向きは、一つの要素で決まるのではなくて、いろんな要素が複雑に絡み合って決まるのだと思います。
だから、私と同じような性格でも、それを補う何かがあれば、全然問題なくできるのかもしれません。
ただ、私のように、表面的に「向いていそう」と思っただけだったり、思いや理想だけで目指すのは、ちょっと危ういかもしれないので、よくよく調べてみた方がいいと思います。
必要な練習量は個人差が大きい
これも、試験が終わった後に学んだことです。
一緒に勉強してきた人たちと結果報告をしていたのですが、面接試験に限っては、必ずしも練習量と点数が比例していないように思えました。
面接練習を毎週2回程度していて、仲間内でもかなり練習量の多かった方の面接の成績が54点で、実技の合格点ギリギリでした。
反対に、面接練習にあまり顔を出しておらず、試験1ヶ月前に、「今日は1ヶ月ぶりにロープレやります」と言っていた方が80点で余裕の合格だったりしていました(もしかしたら見えないところで練習していたかもしれませんが)。
でも、練習量が多くても高得点を取れていないというのは、5人くらいの結果を見てみて明らかでした。
もともとのコミュニケーション力としても大差がない方々ばかりだったので、この差がどこから来るのか、結局よくわかりませんでした。
そのため、自分がどのくらいの練習を必要とするのかは、おそらくやってみないとわからないのかもしれません。
受験にはそれなりの時間と覚悟がいる
あまり練習しなくても受かっている人がいるので一概には言えませんが、受験するにはそれなりの時間と覚悟がいります。
養成講座は約3ヶ月間、毎週一日8時間くらいの講習参加が必須だし、宿題も出るので平日も勉強が必要です。
その後は自学自習でなんとかしろと放り投げられ、自分で学習サイトを調べ、情報収集し、勉強法を調べ、自分なりにカスタマイズし、試験まで走りきります。
学科の勉強は、私は1日1時間以上、休みの日は3時間くらいはしていました。
働きながら平日に1時間以上時間をつくるのは意外と大変で、いろいろな楽しみを我慢しながら勉強していました。
要領の良し悪しもあると思いますが、かなり時間と労力が必要です。
一緒に受験した人は、みんな一様に「こんなに大変だと思っていなかった」と口を揃えて言っていました。
なので、受験前に考えているよりも、2倍くらい大変な思いをすると思って臨んだ方がいいかもしれません。
いろいろ脅すようなことを書いてしまいましたが、ここまで読んでも「やるぜ!」と思った方は、応援します。
逆に、「どうしようかな」と思った方は、しっかり判断するために自己分析をしたり、キャリアコンサルタントや相談業に関する情報を集めてみてはどうでしょう。
なんなら、自分がキャリアコンサルタントを受けてみるのもいいと思います。どんな仕事なのか、自分にできそうかなど、考える材料になります。
私はキャリアコンサルタントの勉強をして、結果は出なかったけれど、自分のことが前よりも少しわかりました。
それに、勉強していたころに我慢していたことがいくつかあって、きっとそれが一番自分のやりたいことなんだなと気がつくこともできました。
お金がもったいなかったのでは、という気持ちも、自分で自分のキャリアを考える力くらいはついたので、今後キャリアコンサルタントやキャリアコーチに払うお金を節約できたと思えば、大して損はしていません(と思いたい)。
遠回りではあるけれど、やったことは何も無駄にはなりません。
この記事が誰かの役に立ったら私の失敗も成仏できるので、参考にしていただけたら嬉しいです。