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チェコ抄 ~ ボヘミアの響き

 実に10年と2ヶ月と8日ぶりに、オーケストラのコンサートに行った。

 前回は東京オペラシティに勤める友人の招待で無料だったのだが、今回も無料(笑)
 公益財団法人メトロ文化財団の主催する、「メトロポリス・クラシックス」の抽選に当たったのだったのだったイエーイ!!

メトロ文化財団のサイトより引用

 題して『郷愁~ドボルザークとボヘミアの響き~』……もうこのテーマとタイトルだけで我ら夫婦はどんぶり飯三杯はイケるわけで、俺が地下鉄メトロでの通勤途中に中吊り広告で発見し、脊髄反射で申し込んだというわけだ。

 なんでもかれこれ19回目というこのメトロポリス・クラシックス。
 回を重ねるごとに倍率が上がり今回は30倍の競争率だったそうなのだが、それが3階席だったとはいえ当選するのだから我が家の「文化フォース」はさすがの猿飛。

 実はハタチ以降の俺にとって、10年以上もオーケストラのコンサートに行かなかったのは初めてのこと。
 あらためてびっくりしたのだがまあその間、女房はオーナー&ママとして、俺はマスターヅラをして飲んだくれてただけとはいえ酒場の〝あっち側〟でかけめぐる青春ビューティ・ペアだったので致し方なし。
 しかしだからこそ、こういうものに出かけられるようになったんだあと、感慨もひとしお。もっと言えば、カタギの生活(笑)になってから1年目の昨年はまたぞろいろいろあって、同じ路線を朝晩利用していたのに中吊りにも気づかなかったよなあと、しみじみしちゃったりなんかしちゃったり。

 しかも我が家にとってのクラシック・コンサートの復活が、「モルダウ」「新世界」!! ♬ボヘミアーン(葛城)
 皆さん十分ご存知のように、どちらもどうにもこうにもなんともこう、胸をむしられるような郷愁に満ち満ちていて、かつ希望を喚起させる音楽。
 もうね、いろんな意味で涙ちょちょ切れないほうが、無理というものだ。

 梅田俊明さん(同い年)の指揮も、東京都交響楽団の演奏も、俺はたぶん生では初めてだったんだが、いやー、素晴らしかった!!
 スラブの音楽ってこんなにもキラキラしているもんなんだなと、生のオーケストラの響きの豊潤さに、あらためて感動した次第。

 さらに今回すごく良かったのが、我らの世代には「久米宏版『ニュースステーション』」のスポーツキャスターでお馴染みだった、浅岡聡さんの司会進行と解説があったこと。
 初めて知ったが浅岡さんの現在の肩書きは〝コンサート・ソムリエ〟だそうで、なんと東京藝大の客員教授や、日本ロッシーニ協会の副会長もされているらしい。やったねイタリア。くいしん坊!万才(by キッコーマン)
 軽妙にしてわかりやすいトークは古今亭志ん朝師匠もかくやという感じで、アナウンサー&大学教授の面目躍如。今後ウチが出かけるすべてのクラシックコンサートに、浅岡さんがもれなく付いてきてほしい。

 兎にも角にも、秋のはじまりにこんなにも素晴らしい体験ができてよかった。

 ありがとうメトロ!!

 次回もぜひ行きたいなあ。願わくばこの記事で、倍率がハネ上がったりしませんように(笑)




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