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noteを始めてから、再び小説を手に取るように

 5年前? ……うーむ10年前?? ……いやあ……20年前???
 ああコワイ、さかのぼり過ぎる。25年くらい前か????

 小説をあまり読まなくなったのはいつ頃からなのか。

 本自体は、えーと……ってこれも考え始めると、また顔を上げて、どこかの世界に飛んで行ったかのような目をして考えなければならない。

 30代の頃なら、心理学やカウンセリング関係の本なら、相当な量を読んだ。それに伴い、児童文学の本。

 息子が小学校高学年辺り、ジョン・フラナガンの「アラルエン戦記」や佐藤さとるの「だれも知らない小さな国」シリーズにハマったので、私も一緒に読んだ。それほど文学的な感じはないけど、描写が細かくて、景色が目に浮かぶような本。息子が小学校高学年なら、あれは40歳過ぎだ。だとしたら、そこからも6年ほど経っている。
 その前は……。

 むーん。いちいち悩ましいなあ。

 結婚前後から、子供ができるまでの6年ほど。20代後半は、夫が読む本を面白がって一緒に読んだ。棋士たちのエッセイとか、高橋源一郎とか、三谷幸喜とか伊集院光とか。漫画も。夫はどんどん買うから「私も読みたい」と一生懸命追いつきたかった頃だ。割と読んでいたか。
 谷川俊太郎の詩集や高橋源一郎の「さようならギャングたち」とかダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」に出会って、衝撃を受けた。
 私が夢中になるから、「指輪物語」を、夫は自分が読まないのにあてがってきて、案の定、没頭した。気質的に没頭が過ぎて、現実との境目がわからなくなった日々。「これって昔、本当にあったの?」と聞いた自分が、さすがに無邪気過ぎて夫も引いたのではないかと、ちょっとした黒歴史だ。「ウーン、似たようなことは現実にあったかもしれないね」と大人な対応をした夫なのだった。

 私が読書にハマるきっかけとなったのは、小学校3~4年生の頃。母が適当に買って来た7冊くらいだったかを一気読みしてから、中毒みたいに手を伸ばした。
 都会だったので、4~5年生から受験勉強に勤しんでいたけど、少年少女文学全集50巻を読破できたのは、身体が軟弱で、よく学校を休む羽目になったからだ。
 
 中学生頃は赤川次郎にハマり、漫画を貸し借りし、高校生になってからまた夢中になって小説を読んだ。太宰治の「人間失格」や島崎藤村の「破戒」で衝撃を受け、その後、夏目漱石や武者小路実篤、芥川龍之介を好み、多くの作家の文庫本を次々と手に取った。
 ジェフリー・アーチャーの「ケインとアベル」の感想を、卒業文集に書くという黒歴史をまた一つ作ってしまった。
 学校は好きだったけど、原稿用紙を渡された時、私の頭はそれでいっぱいだったのだ。気質なのだ。こればっかりは仕方ない!

 大学生になると、英米児童文学専攻になり、尊敬する先生が「児童文学は何でも読みなさい」と、日本の児童文学も毎週何冊も勧めてくる。大好きな先生だから、全部読んでやろうと必死になった。灰谷健次郎に号泣していたのもその頃。

 卒業してから、ガクンと読書量が減った。


 息子はあまり国語が得意ではない。小説や本は好きで読んでいたけど、中学生以降はほとんどが、数学についての小説とか他でも既に偏りがある。高校二年生から入った塾の先生には「小学生の頃の貯金で、何とかこの程度の点数が採れているけどねぇ……」と言われた。
 目指すは理系だし、共通テストの点数もそっちで採るからそんなに国語も伸ばさなくて良いムードになってしまっている。大丈夫なのか。(本気で心配だ)

 それはそれとして、「貯金」の言葉に私は「なるほどね」と腑に落ちた。息子以上に自分について。

 本を読んできたような気がしていたけど、こうやって振り返ると、あんまり読んでいない。昔の記憶から、読んだ気になっているだけで、「ああ、あれね」なんて言っても、数十年も前の話。内容もおぼつかない。こうやって書いて、確かめてみているだけだ。

 最近は漫画を読んでも途中でウトウトしてしまう。
 何かを読む気がしないなあと思っていた。
 ここ7~8年で、自分で探し出して「面白かったあ」って思った小説は数えるほど。

 noteには読書家が多い。
 ゆっくり読む方も早く読める方も。とにかく本をよく読んでいる印象。私は、少し映画を観て、少し漫画を読み、たくさんゲームをし、どれも好きと言える。ただ読書が好きと言うにはほど遠い。

 ここで本を紹介される記事を目にするようになって、ほんの少しずつ小説を読む機会が復活している。ペースが上がるとは思えないけど、読書が好きな人たちの会話に「私も読んだ」って言ってみたい! 言ってどうするわけでもないけど。ただ少し知って、共有したい。エッセイや心理学、カウンセリングの本も面白いけど、小説も時には面白い。

 noteの記事を読んで最初に手に取った小説は、重松清の「きみの友だち」だったと思う。
 それからまた小説を読む間は空き、西加奈子さんを続けて二冊。彼女の魅力には引きずり込まれる。
 最近は凪良ゆうの「流浪の月」。

 今のところ、Maiさんなたねさんの感想を読んで決める時が多い。お二人とも、その本から感じた気持ちを、その本の説明以上に書いていることがあって、私にはそれが「読んでみたい」のきっかけになる。人の批評や解説に、私はあまり興味がないのだ。
 「こんなことを感じた」「こんなことを思い出した」と私的な感想を書かれると、そういう刺激があるんだ、と魅力が伝わって読んでみたくなる。

 コンテンツを紹介しても、実際に観ようとか手に取ろうとかまで持ち込むのは難しい。
 でもその本の魅力が伝わってきたら、今の私はつい手に取っちゃうぞ!

 自分で探したわけでもなく、記事読んで面白そうと思った小説が何冊か、私の前で待っている。

#エッセイ #読書 #本 #小説を読む  

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。