またその景色をいつか見せてね
言葉は
あおい時を過ぎているのに
なかなか実にならない果実みたいに
つたなくて
教えてほしいことがたくさんある
いくつになっても
おとなのふりをした私は
ずっと心細い
なのに
たくさんの風景が
私の前から
なくなってく
キミの来ない
ここで
ふりそそいでくるような
ゆたかな言葉の星くずを
全身で感じたい
星ふるその景色は
いつのまにか
ゆらゆらのぼる朝日を見せてくれる
すとんと落ちる夕日を見せてくれる
そしてハラハラする夜空を
浮かびつづける月を
濃紺の深い海を
まあるい地平線を
みどりに輝く湖面を
あったかくて冷たい人を
くりかえしやってくる喧騒を
にじんでくる街灯を
並んで歩く人を
わらいころげる子どもを
苦しい気持ちでさえ
なんてまぶしい光なんだろう
私には
そのかけらも握りしめられないのに
そこに
もう見えなくなったキミの
世界を感じる時間がある
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。