ようやく秋の風景に近づいてきた
やっと涼しくなってきたこの辺り。
朝起きてカーテン開けたら、トンボが二匹。電線にとまっていた。
この夏は暑すぎた。8月も終わりになってくると、みんな少しでも秋の気配を察しよう、秋の糸口を探そうと、懸命だったわよね。
わかるよ。あの頃ほど暑くなくなったからさ。空が高くなってきて、確かにトンボも飛び始めていて。
抜け毛が増えてきて。
だけどさ、「あの頃ほど」ってだけで例年と比べたらまだ真夏と言って良かった。
なんて暑い夏だっただろう。
いや、暑いなんてものじゃない熱い夏だよな。……って書いたら懐かしくなっちゃった。「熱い夏」なんて、本来おかしいけど、プリンセスプリンセス思い出したゃう世代なのだ。
この夏はうだるのも通りすぎて、外歩いて大丈夫かなんて心配しなければならなかった。
この前。小雨でも、涼しいのがうれしくて、傘をさして歩く。ぷつぷつと音を聴きながら、雨を含んだ土の香りに秋が近くなってきたと感じる。
でも一ヶ月くらい遅いよなー。
確か毎年、お盆を過ぎるとかすかな秋の気配に、「もう夏も終わりだねえ」なんて言うのだ。まだであってもね。
北海道では冬タイヤやストーブのCMが流れ、海に遊びに行く人などいなくなる。
この辺では、ひんやりした朝晩の空気にエアコンにもスイッチ入れなくなる。
それが先週くらいからようやく。
ここ数日急に寒い。
気温でも体感でもようやくだけど、自然は刻々と変化しているのね。
稲は黄金色のじゅうたんとなり、敷き詰められ。一部刈り取りが始まり。
山の方はススキの花穂がおぼろに赤く染まり。
玄関には律義にでっかいカメムシがやってくる。
セミはいつから声が聞こえなくなっただろう。
虫の声は厚みを増して豊かになり。
カボチャや栗、サツマイモのスイーツも出てきて、買わなくたって一通り「食べたいなあ」と迷ってしまう。
これから私の大好きな季節。
でもオットも息子も苦手な季節。
私の身体が元気ならば、二人にはできるだけ楽しい気分になってもらえるように、気持ちを分けたいな。