十月の自選秀歌

皆様のいいねを励みに、先月もめでたく一日一首(あるいはもっと)投稿することができました。自選秀歌にまとめましたので、ご笑覧ください。

文芸活動に傾注するようになってから、自分でも勉強かねていろいろ読むように心がけてますけれども、その甲斐あってか、それとも副作用というべきか、なにかと下敷きのある作品が増えてきました。詞書きてきなコメントやタグなどでネタバレするように心がけてはいますが、そこまでしていなかったものは、ここで補足しておきます。「閑雅なカフェ」(8)は、萩原朔太郎です。わりとまんま使いですが、以前訪ねたことのある沼津市の千本松からの連想で海を導入しました。「不可思議の海」(9)は、「パロマー」という哲学的エッセーのような小説です。「おぼれゆく沢」(5)は、土屋文明の連作「わさびの花」から。わさび田が実際にどんなものかは、youtubeの動画でたしかめました。便利な時代ですね。ちなみに土屋文明の作品に触れたのは、岡井隆経由になります。

前回ちょっとふれました通り、七音をあえて「五+二(あるいは二+五)」に構成する句形にこだわっていたため、結句を二音で締めるパターンが多かったようです。今後はもっと自在に句を割ったり、あるいはまたいだりできるようになりたいものです。その点では「ゲリラ豪雨」(4)なんかは、自選したなかでも自信のある詠になっています。よしなにどうぞ。

前回の記事はこちら。